「海底下の大河」(以下「大河」)は、地下に広がる流域から様々な金属元素やマグマ揮発成分等を溶かし込み、熱水・冷湧水として海洋へ流出させている。本領域では、イオウ、水素、メタン、鉄の化学成分で特徴づけられる4種類の「大河」を仮定し、その検証を目的とする。本計画研究では、流出域の直上に形成される熱水・冷湧水プルームを最新の化学センサーにより検出する技術と、プルーム中の微生物・動物プランクトン群集の定量計測技術を組み合わせた現場観測を行い、4つの大河ごとのプルーム形成と分布とその中に発達する生態系モデルを検証する。このプルーム解析により、「大河」が海洋に直接あるいは間接的に及ぼす生物地球化学および生態学的な影響の時空間定量化を目指す。
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