今後の研究の推進方策 |
分子ナノシステム上で確率共鳴素子を用いた微弱信号検出およびメモリ素子動作実証を行う。確率共鳴メモリについては、双安定性を持つダイナミックな系(FitzHugh R. Bull. Math. Biophysics, vol.17, pp.257-278,1955,など)を単分子トランジスタにより構成し、シミュレーションおよび実験によりその動作と有効性を実証する(単分子トランジスタの試作評価はAO4班において完了)。 また、AO4班のカーボンナノチューブ+負正抵抗素子(CNT+POM)を用いて、信号伝送路に関するシミュレーション評価を行う。また、位相同期については、分子ナノシステムによる振動子の実装が困難であることが予測されたが、分子システムそのものが持つリズム性を利用したデモンストレーションができる見通しが立っている(参考文献:吉川研一著,非線形科学一分子集合体のリズムとかたち,学会出版センター,1992)が、実験が(時間的制約により)不可能な場合は、そのモデルを用いた雑音誘起位相同期のシミュレーション評価を行う予定である。
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