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2011 年度 実績報告書

mRNA 3'末端プロセシングを標的とした遺伝子発現調節・RNA品質管理機構の解明

計画研究

研究領域多様性と非対称性を獲得するRNAプログラム
研究課題/領域番号 20112005
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

星野 真一  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40219168)

キーワード脊髄小脳変性症 / デアデニレーション / mRNA分解 / ストレス顆粒
研究概要

mRNA3'末端プロセシングを標的とした遺伝子発現調節とRNA品質管理機構の解明を目的として、本研究においては特に次の5つの課題、(1)mRNA3'非翻訳領域に存在するシス因子による遺伝子特異的なポリ(A)鎖分解調節、(2)miRNAをはじめとする機能性RNAによるポリ(A)鎖分解のトランス活性化調節、(3)細胞質ポリ(A)鎖伸長による選択的遺伝子発現調節、(4)ストレスによるグローバルなポリ(A)鎖分解調節、および(5)非標準的ポリA鎖付加酵素によるRNA品質管理・遺伝子発現制御、を研究対象としているが、本年度においては、昨年度に引き続き(1)、(4)について解析をおこなった。(1)については、すでにc-myc mRNAの3'UTRに存在するCPEにCPEBが結合することで、癌抑制遺伝子産物Tobを介してCaf1デアデニレースがリクルートされ、c-myc遺伝子の発現が負に制御されていることを明らかにしていたが、本年度はこのようなc-mycの発現が増殖シグナルによって制御されることを証明した。血清を除去した静止状態の細胞においては、CPEB-Tob-Caf1複合体が形成され、これがc-myc3'UTRのCPEに結合することで、c-myc mRNAのポリA鎖分解とmRNA本体の分解が促進されるのに対して、血清による増殖シグナルを与えた細胞においては、CPEBとTobが一過的に解離し、c-myc mRNAの負の制御が解除されて、G1-S移行期におけるc-myc mRNAの一過的な発現上昇を引き起こすことを明らかにした。
また、(4)については、ストレスによるグローバルなポリ(A)鎖の安定化を引き起こすストレスの標的として、TobとPan3を同定した。ストレスは、これらの因子をプロテアソーム依存的に分解することで、mRNAデアデニレースをmRNAポリ(A)鎖にリクルートすることを阻害し、ポリ(A)鎖の安定化を引き起こすことを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた5つの課題のうち、3つの課題について成果を上げることが出来ておりおおむね順調な進展といえる。

今後の研究の推進方策

本研究課題で取り上げた5つの課題のうち、(2)miRNAをはじめとする機能性RNAによるポリ(A)鎖分解のトランス活性化の課題については、競争が激しく海外の研究者らによってデータが公開されたことから今後の課題からはずすこととした。次年度は本研究課題の最終年度にあたるため、これまでの研究の総括を行なうとともに、残された課題について重点的に解析する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Anti-proliferative protein Tob negatively regulates CPEB3 target by recruiting Caf1 deadenylase2011

    • 著者名/発表者名
      Hosoda, N., Funakoshi, Y., Hirasawa, M., Yamagishi, R., Asano, Y., Miyagawa, R., Ogami, K., Tsujimoto, M., Hoshino, S
    • 雑誌名

      EMBO J

      巻: 30 ページ: 1311-1323

    • 査読あり
  • [学会発表] mRNA3'末端プロセシングを標的とした遺伝子発現制御・RNA品質管理機構の解明2012

    • 著者名/発表者名
      星野真一
    • 学会等名
      平成23年度新学術領域研究『RNA制御学』班会議
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20120106-07
  • [学会発表] 癌抑制遺伝子産物Tobによるc-myc遺伝子の発現調節機構2012

    • 著者名/発表者名
      尾上耕一、細田直、船越佑司、星野真一
    • 学会等名
      第132回薬学会年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] PAM2モチーフ含有タンパク質USP10のストレス顆粒形成に果たす役割2011

    • 著者名/発表者名
      杉山遥、成瀬貴文、細田直、星野真一
    • 学会等名
      第57回日本薬学会東海支部大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-07-09
  • [学会発表] テロメラーゼRNA(TLC1)の成熟化機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      田中麻記子、細田直、星野真一
    • 学会等名
      第131回薬学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-07-09
  • [学会発表] Antiproliferative protein Tob negatively regulates c-myc oncogene expression by accelerating mRNA deadenylation2011

    • 著者名/発表者名
      Ogami K, Hosoda N, Funakoshi Y, Hoshino S
    • 学会等名
      RNA 2011 (6^<th> annual meeting of the RNA society)
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011-06-14

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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