計画研究
細胞の消化器官であるリソソームへは細胞外からエンドサイトーシス経路、細胞質からオートファジー経路が物質を運び込み、それらの物流システムによって、何が・いつ・どれだけ分解されるか、が巧妙に調節されている。本研究は、疾患とオートファジーの関係とエンドサイトーシス経路の制御機構の解明、オートファジーを制御する化合物探索を目的とする。本年度は計画に従って以下の解析を行った。1) サルモネラに対する選択的オートファジーについて、ULK1複合体、Atg9、Atg16L複合体がそれぞれ独立にサルモネラ周辺にリクルートされること、標的のユビキチン化がその3者のリクルートに必須であることをこれまでに明らかにしている。今年度は人工ビーズを用いた解析を行い、Atg16Lにユビキチン結合配列があることやULK1とAtg16Lが結合することなどを見出し選択的オートファジーの分子機構の理解を進めた。2)上記人工ビーズの実験系を用い、オートファゴソーム膜のプロテオミクスを実施し、選択的オートファジーに関わる可能性のある複数の候補タンパク質を同定した。3)化合物スクリーニングにより、複数のオートファジー亢進剤と阻害剤を同定し、1部についてはオートファジーのどのステップで働いているのかを明らかにした。4)損傷リソソームが選択的オートファジーの標的となっていることを実証し、ユビキチン化が認識シグナルであることを示した。さらに損傷リソソームがオートファジーにより除去されないと、細胞増殖が低下したり、高尿酸血症モデルマウスの腎症が悪化することを見出した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature
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http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/yoshimori/