計画研究
今年度も引き続き、計画班員、および公募班員からの要望に応じて、目的タンパク質や目的脂質と相互作用する化合物の探索を化合物アレイで行った(リバース。ケミカルバイオロジー研究)。並行して、細胞の表現型を指標としたスクリーニングに用いるため、化合物溶液を班員に配布した(フォワード・ケミカルバイオロジー研究)。ヒット化合物に関しては、さらに細胞内で標的タンパク質にだけ作用しているか否かを検討した。また、作用が分かっている阻害剤を用いることで新たな生物学の発見に貢献した。具体的な成果としては、ミミズ毒で知られているライセニンが誘導するhemolysisをルテインが阻害することを発見した。また、カリウムイオンチャンネル阻害剤であるglybenclamideが卵巣がん細胞の浸潤を抑制することを見出した。その詳細なメカニズム解析を行ったところ、glybenclamide処理でPDGFの分泌が抑制され、結果としてPDGF依存的なシグナルが阻害されることで浸潤抑制効果を発揮していることが明らかになった。また、天然物からがん細胞の遊走阻害剤として新規物質migracinの単離に成功した。Migracinは低濃度で細胞毒性を出さずに、乳がん細胞などの遊走を阻害した。さらに、NF-kappaB阻害剤の(-)-DHMEQがNO依存的に起こるβ細胞のアポトーシスを抑制することを見出した。これは、(-)-DHMEQが転写因子であるNrf2を活性化することによることを発見した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (22件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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