計画研究
本研究は、GSC/ニッチ・システムを構成するGSC、ニッチ細胞、ニッチの場の形成機構の解明を目標とする。平成22年度は、1)細胞外マトリックスの主要な構成分子の一つであるヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)遺伝子であるdally、dally-likeががニッチにおいてニッチシグナル分子の分布を制御するかどうかを検証した。その結果、卵巣の生殖幹細胞ニッチにおいてdallyを異所的に発現した場合、ニッチシグナル分子であるDppの局在する領域が拡大することを明らかにした。このことは卵巣生殖幹細胞ニッチにおいてdallyがDppの局在を制御することによってニッチの場を規定することを示している。2)生殖巣におけるニッチ細胞の形成に関わるシグナル伝達経路のコンポーネントの発現およびそれらの機能を突然変異を用いて明らかにする研究を引き続き行ってきた。その結果、雄ではNotchとEgfrがニッチ形成制御に中心的な役割を果たすことが明らかとなった(投稿論文)。3)雌ではニッチシステムの完成時期まで始原生殖細胞を未分化状態に維持することが配偶子幹細胞の形成に必要であること、この未分化状態の維持はpatch pasteとgone earlyによって制御されていることを明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Proc.Natl.Acad.Sci., USA.
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http://www.nibb.ac.jp/press/100726/100726.html