研究領域 | 配偶子幹細胞制御機構 |
研究課題/領域番号 |
20116002
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
研究代表者 |
小林 悟 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90225508)
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研究分担者 |
浅岡 美穂 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教 (40370118)
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キーワード | 配偶子幹細胞 / ショウジョウバエ / 始原生殖細胞 / ニッチ / 生殖細胞 |
研究概要 |
本研究は、GSC/ニッチ・システムを構成するGSC、ニッチ細胞、ニッチの場の形成機構の解明を目標とする。平成23年度は、1)細胞外マトリックスの主要な構成分子の一つであるヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)遺伝子であるdally、dally-likeががニッチにおいてニッチシグナル分子の分布を制御するかどうかを検証する事を試みてきた。その結果、精巣生殖幹細胞ニッチにおいてニッチシグナル分子(GbbおよびUpd)の可視化を試み、これに成功した。さらに卵形成過程をモデルとして用いることでdallyがUpdの分布を制御することを明らかにした。2)GSCの性を決める最初のステップである始原生殖細胞の雌化に関わるマスター遺伝子としてSex lethalが働く事を証明した(投稿論文)。3)卵巣では、始原生殖細胞のまわりにある体細胞がEGFシグナルの強度を調節することにより、GSCニッチシステム完成前に配偶子形成過程に入る始原生殖細胞の数を制限し、未分化状態のままGSC形成能力を保持する始原生殖細胞を残すことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、GSC/ニッチ・システムにおけるヘパラン硫酸プロテオグリカンの役割、卵巣において始原生殖細胞の未分化性を維持する機構、さらにGSCの性差等を決める遺伝子が明らかになった。特に、GSC(生殖細胞)の雌化に関わる遺伝子の同定は、サイエンス誌に掲載され、非常に高い評価を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
1)GSC/ニッチ・システム中のニッチシグナル分子の分布制御におけるヘパラン硫酸プロテオグリカンの役割、2)卵巣におけるニッチ及び幹細胞形成機構、さらに3)GSCの「生殖細胞らしさ」を決める機構を明らかにし、当初の研究目的を達成する予定である。研究計画の変更及び研究遂行上の問題点は無い。
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