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2009 年度 実績報告書

マウス精巣におけるGSC/ニッチ・システムの解明

計画研究

研究領域配偶子幹細胞制御機構
研究課題/領域番号 20116004
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

吉田 松生  基礎生物学研究所, 生殖細胞研究部門, 教授 (60294138)

キーワード配偶子 / 幹細胞 / ニッチ / マウス / 精単
研究概要

本研究は、マウスのGSC(配偶子幹細胞)である精子形成幹細胞と、それを制御するニッチ細胞、及びニッチの場の実体を解明することを目的として研究を行っている。
本年度は、GSCを含む「未分化型精原細胞」のなかの亜集団の、精巣内での挙動と性質を、遺伝子発現と形態の詳細な検討、ライブイメージング法およびパルス標識法を用いて解析した結果、以下の知見を示唆する結果を得た。
1. マウス未分化型精原細胞は、細胞の形態(何個の細胞が合胞体を作って連結しているか)と遺伝子発現(GFRalpha1およびNgn3の発現)による階層性を有している。
2. 連結していないAs細胞、かつGFRα1陽性細胞が、最も自己複製する確率が高い。
3. しかし、少し分化した細胞(連結した細胞ないしNgn3陽性細胞)も自己複製能を保持しており、連結細胞の「断片化」や遺伝子発現の「逆もどり」により自己複製モードに戻ることが出来る。
4. 精子形成障害後においては、定常状態に比べて、分化に向かった細胞が幹細胞モードに戻る頻度が上昇し、速やかな再生を実現する。
以上の結果は、1971年に提唱されて以来定説として信じられて来たモデル「Asモデル」に修正を加えるものであり、ほ乳類精子形成の幹細胞のあり方に一石を投じる。また、広く幹細胞研究一般に対しても、幹細胞とは何か?どのようにして組織恒常性が保たれるのか?といった根源的な問いに対して重要な示唆を与えるものである。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Functional Hierarchy and Reversibility within the Murine Spermatogenic Stem Cell Compartment2010

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa, T., Sharma M., Nabeshima Y-i., Braun R.E., Yoshida S.
    • 雑誌名

      Science 328

      ページ: 62-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stem cells in mammalian spermatogenesis2010

    • 著者名/発表者名
      S.Yoshida
    • 雑誌名

      Development Growth and Differentiation 52

      ページ: 311-317

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The heterogeneity of spermatogonia is revealed by their topology and expression of marker proteins including the germ cell-specific proteins Nanos2 and Nanos32009

    • 著者名/発表者名
      H.Suzuki, A.Sada, S.Yoshida, Y.Saga
    • 雑誌名

      Developmental Biology 336

      ページ: 222-31

    • 査読あり
  • [学会発表] 精子形成を支える幹細胞の実態を探る2010

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      日本生殖再生学会第5回学術集会
    • 発表場所
      シェーンバッハ・サボー(東京)
    • 年月日
      2010-02-21
  • [学会発表] 精子形成幹細胞のふるまいを時間的・空間的に探る2010

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      第19回泌尿器分子・細胞研究会共催ランチョンセミナー
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル(兵庫)
    • 年月日
      2010-02-20
  • [学会発表] Spermatogenic Stem Cell System and its Niche in the Mouse Testis2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      Keystone Symposium : Stem Cell Niche Interactions
    • 発表場所
      Fairmont Chateau Whistler, Whistler, British Columbia, Canada
    • 年月日
      20090421-20090426
  • [学会発表] マウス精子形成幹/前駆細胞の分化と精細管の組織構築2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      生殖系列領域会議第2回合同シンポジウム「生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク」
    • 発表場所
      コクヨホール(東京)
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] マウスの精子形成を維持する幹細胞システムとその制御機構2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      第2回疾患モデルシンポジウム -生殖細胞のなりたちから不妊治療の基礎まで- 実験動物学会
    • 発表場所
      東京大学弥生講堂(東京)
    • 年月日
      2009-11-17
  • [学会発表] マウス精子形成の幹細胞社会を妄想する2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      第4回 Germ Cell の会
    • 発表場所
      桑谷山荘(愛知)
    • 年月日
      2009-11-11
  • [学会発表] マウス精子形成幹細胞とそのニッチの同定に向けて2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      日本動物学会第80回大会2009静岡公開シンポジウム「配偶子幹細胞制御に関する研究の新展開」
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] ほ乳類の精子形成を支える幹細胞の究明2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      第4回 認識と形成研究会
    • 発表場所
      東京海洋大学水圏科学フィールド教育研究センター大泉ステーション(山梨)
    • 年月日
      2009-08-30
  • [学会発表] マウス精子形成を支える幹細胞の正体を探る2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      第21回高遠シンポジウム -組織器官形成とそのモデュレーション-
    • 発表場所
      高遠さくらホテル(長野)
    • 年月日
      2009-08-27
  • [学会発表] マウス精子形成幹細胞システムの実体と精巣内のふるまいの探求2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      第24回再生医療・細胞治療研究会
    • 発表場所
      東京医科歯科大学学内講堂(東京)
    • 年月日
      2009-07-24
  • [学会発表] マウス精巣における精子形成幹細胞システムの究明2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      2009年第23回モロシヌス研究会・理研国際シンポジウム合同シンポジウム"Spermatogenic Stem Cell System and Testicular Niche in Mice"
    • 発表場所
      ラフォーレ琵琶湖(滋賀)
    • 年月日
      2009-07-12
  • [学会発表] マウス精巣における精子形成幹細胞システムの究明2009

    • 著者名/発表者名
      吉田松生
    • 学会等名
      国際高等研究所「細胞履歴に基づく植物の形態形成」2009年度第1回研究会
    • 発表場所
      (財)国際高等研究所(京都)
    • 年月日
      2009-06-13
  • [備考]

    • URL

      http://www/nibb.ac.jp/germeell/

  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/pressroom/news_detail.php?no=339

  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/gamete-stem-cell/Index.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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