計画研究
活性酸素は、酸化ストレスを介した毒性因子としてだけでなく、精密に制御されたシグナル伝達機構の担い手であることが明らかになりつつある。活性酸素の代謝から生成する親電子性物質は、活性酸素シグナル受容蛋白質のシステイン残基の翻訳後修飾をもたらし、シグナル制御において重要な役割を果たしている。本研究では、活性酸素の二次シグナル分子として発見された親電子性の環状ヌクレオチド8-nitroguanosine 3’,5’-cyclic monophosphate (8-nitro-cGMP)に着目し、その生体内生成メカニズムとシグナル制御の分子基盤を明らかにすることを目的とした。最終年度である本年度は、8-nitro-cGMPに対する新しい分解・代謝制御分子として、含硫アミノ酸代謝から生成する活性イオウ分子に注目し、活性酸素シグナルの制御における役割を解析した。その結果、シスタチオニンbetaシンテース(CBS)あるいは、シスタチオニンgammaリアーゼ(CSE))がシスチンを基質として、システインに過剰にイオウが付加したパースルフィドを極めて効率よく生成することを見出した。マウスを用いた解析より、パースルフィドは脳、心臓、肝臓などあらゆる臓器に豊富に存在することが示された。さらにこれらパースルフィドが、8-nitro-cGMPに作用して8-SH-cGMPへと変換することがわかった。以上の結果より、パースルフィドは活性酸素・親電子物質の代謝を司る極めて重要な活性イオウ分子として機能し、酸化ストレス制御に密接に関わることが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 11件) 備考 (1件)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
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