研究概要 |
血管内皮は、内皮由来弛緩因子(EDRFs)と総称される数種類の弛緩因子を産生・遊離し、心血管系の恒常性の維持に極めて重要な役割を果たしている。EDRFsの主な因子として、prostaglandin I2(PGI2),一酸化窒素(nitric oxide, NO),内皮由来過分極因子(EDHF)があり、我々はEDHFの本体(の一つ)が内皮から生理的濃度で産生される過酸化水素(H2O2)であることを同定した。また、興味深いことに、内皮NO合成酵素(NOSs)系がNOとH2O2の供給源になっていた。 このような背景を受けて、本研究では、EDRFsとしての活性酸素種(NO,H2O2)の役割と作用機構の解明を目指す。 具体的には、下記の3つの目的を設定した。 研究1:NOSsの血管反応性における生物学的多様性の分子機構の解明 研究2:NOSs/Rho-kinase経路の臓器連関における生物学的多様性の解明 研究3:NOSsの代謝調節における生物学的多様性の解明。
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