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2009 年度 実績報告書

孤発性神経変性疾患発症に関わるニトロソ化シグナルの分子作用メカニズム

計画研究

研究領域活性酸素のシグナル伝達機能
研究課題/領域番号 20117011
研究機関北海道大学

研究代表者

上原 孝  北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (00261321)

研究分担者 西屋 禎  北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80399831)
キーワード小胞体 / ユビキチン / リガーゼ / ストレス / 基質 / 細胞死 / 質量分析 / 神経細胞
研究概要

特異的蛋白質S-ニトロソ(SNO)化蛋白質同定法と抗体アレイ法をハイブリッドしたスクリーニング系を構築/使用し,新規の酸化ストレスの標的となる蛋白質の同定とその影響について解析した.スクリーニングの結果,50種あまりの候補蛋白質を単離し,その中でも蛋白質脱リン酸化酵素に着目して詳細な解析を行った。本蛋白質はNOドナーや細胞内NO合成酵素を活性化させる薬物処理によってシステイン残基がS-ニトロシル化された.また,その修飾部位を決定するために,すべてのシステイン残基をセリン残基に置換した変異体を用いて調べたところ,酵素活性に重要とされるシステイン残基ではなく,その近傍に位置しているシステインが標的であることを明らかにした.この修飾は酵素活性に対して負に働き,その結果,下流のシグナル伝達が興奮することを見出した.また,この蛋白質はこれまでに明らかとされたS-ニトロシル化蛋白質の中でも最もNOに対して感受性が高い,すなわち非常に低濃度のNOによって酸化されることがわかった.したがって,低濃度のNOが存在する際は,この酵素が特異的に酸化されて下流のシグナルがONになる一方,高濃度のNOが存在する際はこれ以外の酵素も酸化されるためにシグナルがOFFになることが明らかとなった.細胞レベルにおいても低濃度のNOは酵素活性を負に調節することで,血管内皮細胞での血圧調節を正に保つことに役立っていることがわかった.今後は中枢神経系における役割を解明して行く予定である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Sustained activation of ERK signaling in astrocytes is critical for neuronal injury-induced monocyte chemoattractant protein-1 production in rat cortico-striatal slice cultures2010

    • 著者名/発表者名
      Katayama, T., et al.
    • 雑誌名

      Eur J Neurosci (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neuronal injury induces cytokine-induced neutrophil chemoattractant-1(CINC-1)production in astrocytes2009

    • 著者名/発表者名
      Katayama, T., et al.
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci. 109

      ページ: 88-93

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reciprocal regulation of ATPgammaS-induced monocyte chemoattractant protein-1 production by ERK and p38 MAP kinases in rat corticostriatal slice cultures2009

    • 著者名/発表者名
      Katayama, T., et al.
    • 雑誌名

      J Neurosci Res. 87

      ページ: 1573-1581

    • 査読あり
  • [学会発表] ニトロソ化ストレスを介した小胞体機能破綻と神経細胞死2009

    • 著者名/発表者名
      上原孝
    • 学会等名
      大阪大学蛋白質研究所セミナー
    • 発表場所
      大阪市, 大阪大学蛋白質研究所
    • 年月日
      2009-11-28
  • [学会発表] 一酸化窒素による小胞体ストレス惹起機構2009

    • 著者名/発表者名
      上原孝
    • 学会等名
      第4回小胞体ストレス研究会
    • 発表場所
      生駒市, 奈良先端科学技術大学大セミナー室
    • 年月日
      2009-09-25
  • [学会発表] 神経細胞死とニトロソ化シグナル2009

    • 著者名/発表者名
      上原孝
    • 学会等名
      第62回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 発表場所
      福岡市, 九州大学百年講堂
    • 年月日
      2009-06-11
  • [図書] 実験医学2010

    • 著者名/発表者名
      上原孝
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      羊土社
  • [図書] 実験医学増刊号「活性酸素シグナルと酸化ストレス研究最前線」2009

    • 著者名/発表者名
      上原孝
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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