研究領域 | 水を主役としたATPエネルギー変換 |
研究課題/領域番号 |
20118008
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 誠 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60282109)
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研究分担者 |
森本 展行 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00313263)
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研究期間 (年度) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ATPエネルギー / タンパク質の水和 / ATP加水分解反応 / 誘電緩和分光 / 水和 / 溶媒和 / リン酸の水和 / ハイパーモバイル水 |
研究実績の概要 |
研究の目的:ATPの加水分解エネルギーの物理的実態を解明するため、ATP分解にともなう水の動的状態の変化を調べる。本研究では、ハイパーモバイル水(HMW)を軸にした水和の分子論を展開する。具体的には、誘電緩和法によるATPおよびその加水分解産物ADPなどの水和特性を測定し、HMWを含め水和各成分の量的比率を求める。アクチン及びミオシンの水和状態の特性を誘電緩和法による回転緩和情報から明らかにし、アクチン及びミオシンによるATP加水分解過程の水和特性変化を評価する。また。ATP加水分解過程の反応熱を実験的に再検討すること。 研究実施内容:(1)誘電緩和分光によるアクチン及びミオシンの水和状態解析 アクチンがATP存在下で重合することによる水和状態(拘束水量とハイパーモバイル水量というこれまでにない2元の水和情報)の変化を分解能を高めた誘電緩和分光法で明らかにした。その結果、アクチンには拘束水のほかにHMWが存在すること、重合によってHMWが顕著に増大することがわかった。また、F-アクチンの水和状態は水溶液温度を上げることで、拘束水とHMWの構成比が変化し、昇温とともにHMWが増加し拘束水は減少した。これは、拘束水の形成が発熱過程でHMWの形成が吸熱過程であることを示唆する。ミオシンS1との結合でHMWが増える過去の実験と、ミオシンとF-アクチンの結合が吸熱過程であることと矛盾しない結果となった。このことは、HMWの形成消滅における熱の出入りがエネルギー論的に重要であることを示している。(2)滴定熱量測定による重合状態にあるアクチンを希釈することにより脱重合する際のエンタルピー変化の検出を試みた。またDSCによりG-アクチン水溶液の温度上昇に伴う重合過程の測定の結果、重合に伴う吸熱は明瞭ではなく、溶媒の誘電率の低下や緩衝剤の効果を含めさらに詳細を調べている。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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