ヒトの顔を認識し性別、年齢、人物、感情などを判断することは、日常生活で極めて重要なことである。顔認知の脳内活動を調べ、その働きが上手くいかない時に生じる問題を解明することが研究目的である。そのため健常成人被験者と機能的磁気共鳴画像による脳賦活検査を用い、顔画像を用いた課題を遂行中の脳活動を計測した。主な結果として、ネガティブな顔を見ている時の扁桃体活動、見知らぬ顔を誤って知っていると判断する虚記憶と扁桃体の関連、笑いと悲しみ表情の共感に特異的な脳領域の同定などの結果が得られた。また遺伝(先天)性相貌失認の質問紙を日本語訳し、日本人被験者多数例による調査を行った。
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