計画研究
エアロゾルの植物影響、健康影響の基礎データとなる東アジア地域のエアロゾルの濃度分布を数時間から年々変化までのさまざまな時間スケールで把握するために、20地点に展開されている既存のライダーネットワークおよび地上モニタリングネットワークによる連続観測を行うことを目的とする。本年度は、既存ライダーネットワークのうち、つくば、辺戸岬、ソウルのライダーにラマン散乱受信系を追加し、従来の2波長(1064nm,532nm)の後方散乱と偏光解消度(532nm)の測定に加えて、独立に532nmの消散係数を測定するための装置の製作を行った。また、ラマン散乱データを含む解析アルゴリズムを開発し、水溶性エアロゾル、ミネラルダスト、海塩に加えてブラックカーボンを分離してそれぞれの濃度分布を推定できることを示した。また、従来モニタリングデータの無い山岳部においてエアロゾル濃度を通年観測するために、光学粒子カウンタシステムを整備し、榛名山に設置して観測を開始した。さらに、既存の大気汚染モニタリング局のデータや中国の大気汚染指標(API)のデータを定常的に収集するとともに、これらのデータから領域スケールの現象と局所的な汚染を分離する手法等の検討を行った。この他、高分解能の領域化学輸送モデル(CFORS)を、気象庁の数値予報データを境界値として国立環境研究所において定常運転し、ライダーネットワークデータ、地上モニタリングデータとの比較解析を行った。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
"IEEE Transaction on Geoscience and Remo t e Sensing" 46
ページ: 4094・4103