研究領域 | 東アジアにおけるエアロゾルの植物・人間系へのインパクト |
研究課題/領域番号 |
20120006
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
杉本 伸夫 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 室長 (90132852)
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研究分担者 |
西澤 智明 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, NIES特別研究員 (10462491)
直江 寛明 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (70354511)
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キーワード | エアロゾル / ライダー / 観測ネットワーク / 光パーティクルカウンター / 山岳観測 |
研究概要 |
東アジアの20地点に展開する2波長偏光ライダーネットワークの主要な観測地点のライダーにラマン散乱受信システム(波長607nm)を追加する改良を、昨年度までに実施した、つくば、辺戸岬、福江島、松江、ソウルに加えて、タイ国ピマイについて実施した。これらの地点で夜間のラマン散乱測定を含む自動連続観測を行った。また、その他の地点についても、2波長偏光ライダー(1064nmと532nmの後方散乱と532nmの偏光解消度)のデータを連続的に取得した。ラマン散乱を含む観測データから、雲、エアロゾルの判定マスク、消散係数、後方散乱係数、ライダー比、偏光解消度を導出するデータ処理システムを構築した。また、リアルタイム表示および解析データを共有するためのサーバーを整備した。取得したライダーデータを解析し、ライダー比、偏光解消度等の統計的な分布を調べた。また、水溶性エアロゾル、ブラックカーボン、黄砂、海塩の分布を推定するアルゴリズムの検討を行った。一方、高分解能の領域化学輸送モデルCFORSを、気象庁の数値予報データを境界値として定常運転した。観測された主要なエアロゾルイベントについて現象の解析を行うとともに、黄砂および大気汚染エアロゾルの消散係数の解析データを健康影響研究に提供した。また、ライダーデータで同化した黄砂輸送モデルと地上観測を比較し、黄砂消散係数と黄砂のPM2.5との間に高い相関があることを明らかにした。 山岳観測では、榛名山、北アルプス(新穂高ロープウェイ頂上駅)、中央アルプス(駒ヶ岳ロープウェイ頂上駅)の粒子カウンタによる観測を継続して実施した。榛名山においてはエアロゾルサンプル採取と分析も行った。山岳観測および地上モニタリング局のデータを取得、解析し、アーカイブした。また、光粒子カウンタに偏光測定を加えて非球形粒子を判別して測定する手法を開発した。
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