研究領域 | 東アジアにおけるエアロゾルの植物・人間系へのインパクト |
研究課題/領域番号 |
20120007
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
兼保 直樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (00356809)
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研究分担者 |
佐藤 圭 独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, 主任研究員 (10282815)
松見 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (30209605)
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キーワード | 環境変動 / 環境分析 / 大気現象 / 大気エアロゾル / 健康影響 |
研究概要 |
開始年度である今年度は、研究を始める準備のため、観測・測定機材を調達または整備・調整し、観測地点への配備を主として行った。 産業技術総合研究所においては、PM2.5計測器(TEOM)および粒子状カーボン濃度計(R&P5400)を整備し、長期運転のためのテストを行った後、国立環境研究所が長崎県五島列島の福江島に設置した観測小屋に配備した。また、もう一台のTEOMを福岡県福岡市の郊外にある福岡大学に配備し、これらの測定器により、3月初旬よりPM2.5濃度および粒子状カーボン濃度の長期観測を開始した。 国立環境研究所は、多環芳香族炭化水素類の粒径分布を測定するため、アンダーセン・ハイボリューム・エアサンプラーの調達および試運転を行った。福江島に観測機器を設置するための観測小屋の仕様を決定し、2月下旬に完成をみた。この福江島の観測小屋および沖縄辺戸岬の大気観測施設において、3月17日よりハイボリューム・エアサンプラーおよびローボリューム・エアサンプラーを用いた集中観測を行い、長距離輸送が卓越する春季のエアロゾルをフィルターサンプルとして日毎に捕集した。 名古屋大学は、独自に開発してきたレーザーイオン化個別粒子質量分析装置を用いて2006年春に沖縄本島で観測されたエアロゾルの質量スペクトルを新しい手法を用いて解析を進めた。大陸から飛来したと考えられるエアロゾルの中に鉛などの人体に影響のある重金属が含まれていることを見出した。質量スペクトル中に含まれる重金属成分の組成および気塊の後方流跡系解析に注目し、これらの放出起源を推定した。鉛含有の大気エアロゾルの起源は、石炭燃焼起源、産業廃棄物燃焼起源などが推定された。
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