研究領域 | 東アジアにおけるエアロゾルの植物・人間系へのインパクト |
研究課題/領域番号 |
20120008
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
畠山 史郎 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30132856)
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研究分担者 |
渡邉 泉 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30302912)
新垣 雄光 琉球大学, 理学部, 教授 (80343375)
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キーワード | 東アジア / 航空機観測 / エアロゾル / 輸送モデル予測 / 後方流跡線解析 / 地上同期観測 / エアロゾル金属成分 |
研究概要 |
平成24年3月に長崎県福江島をベースとして東シナ海上空の航空機観測を実施した。使用した飛行機はビーチクラフト・キングエアー200T型(双発ターボプロップ機)(ダイアモンドエアーサービス株式会社)である。使用した観測用測定機器は、昨年度の観測とほぼ同様であるが(オゾン計、SO2計、ハイボリューム・テープ・サンプラー、パーティクル・マスモニタ、パーティクル・カウンタ、バイオエアロゾルサンプラー、カスケード・インパクタ、NOy計、CO計)本年度もAO1-PO1班との協力により、黒色炭素(BC)測定装置を搭載した。観測飛行は3月10日、11日、13日および14日に行った。10日と11日のフライトは10日の天候悪化のため、それぞれ半分のフライトを行ったものである。基本的には500m、1000m、2000m、および5000mの4高度を東シナ海上空で各々約40分ずつ飛行する水平飛行と、各高度を約20分ずつ福江島上空で旋回飛行する高度分布測定のための環状飛行を行った。春季の観測で黄砂の飛来を期待したが、今回の観測機関には黄砂の飛来はなかった。これに反して、観測期間中は濃いヘイズのかかる日が多く、またSO2濃度も非常に高くなるなど、人為起源の汚染を捉えることができた。今回の観測によって、本計画研究で予定した秋、冬、春の3季節での航空機観測を予定通り遂行することができた。今後、他の化学成分の分析結果やモデル解析、流跡線解析などを加え、越境汚染の状況を解明し、さらに3年間の観測結果を総合して東シナ海上空における越境大気汚染の状況を明確なものにする。 本計画研究による観測結果を公開し、他の研究者の利用に供するため、2009年度の観測データをweb上で公開した。(http://www,tuat.ac.jp/~aerosol/data_entrance.html)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、秋、冬、春の3季節に航空機観測を行い、黄砂の飛来や高濃度人為汚染の飛来を捉えることができており、東シナ海上空に輸送される越境大気汚染の解析を滞りなくす進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
計画していた観測を予定通り行うことができたので、各回の観測のデータを解析して論文として投稿することと、全体の観測を通じて得られた東シナ海上空の越境大気汚染の状況の解明をすすめる。
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