計画研究
環境ストレス(水温・光強度、流速、栄養塩濃度、CO2濃度等)を制御し、サンゴおよびミクロスケールの生物群集の光合成量(=有機物生産量)、呼吸量、石灰化量、分解量等を測定するための装置を完成させた。基礎生産量の再評価のために、石垣島・瀬底島で5月・8月・9月の3回共同調査を行い、従来法による評価は過少評価していることを明確にした。サンゴの白化に関しては水温の上昇(主として30℃以上)に伴い、サンゴ内に共生する褐虫藻の光合成活性能が50%程度低下すること、また細胞そのものから色素を失うこと、サンゴの外に逃げ出す褐虫藻の量はサンゴ内の全体量の1%にも満たないことが明らかになった。サンゴの白化はサンゴ内での色素を失うことを明らかにしたサンゴの胃腔中のバクテリアの細胞数は10^7/Lのオーダー、サンゴの外側の海水中のバクテリア数10^5/Lに比較してかなり高い。ビタミンB_<12>の濃度もサンゴ内では100-700pMに対して、海水中では2-5pMである。ビタミンB_<12>は褐虫藻の増殖に必要な化合物であり、サンゴ内で高いということは、栄養塩と共にサンゴ内の物質循環が重要であることを示唆している。サンゴ内部の測定からサンゴの周りの海水に対してサンゴは半閉鎖系な振る舞いをしていることが示唆された。追加予算によりC班が製作した流動付加制御機構付き新型チャンバーシステム機能性試験を石垣島で合同研究を行い、有機物、バクテリア、プランクトン等のチェンバー内外での変化について試験を行い、チャンバーが生態系応答試験に使用できることを確認した。
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