研究領域 | サンゴ礁学-複合ストレス下の生態系と人の共生・共存未来戦略- |
研究課題/領域番号 |
20121005
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山口 徹 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90306887)
|
研究分担者 |
棚橋 訓 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 教授 (50217098)
吉田 俊爾 日本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70081627)
朽木 量 千葉商科大学, 政策情報学部, 准教授 (10383374)
深山 直子 東京経済大学, コミュニケーション学部, 講師 (90588451)
|
研究期間 (年度) |
2008-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 景観史 / ジオアーケオロジー / 環境変遷 / 歴史人類学 / 形質人類学 / サンゴ礁 / 資源利用 / アウトリーチ |
研究実績の概要 |
ジオアーケオロジー調査(山口)・文化人類学的聴取調査(深山)・化石人骨計測調査(吉田)を石垣島・那覇で実施した。 発掘調査については、名蔵地区浦田原谷戸の沖積低地で実施した。約1000年前に、サガリバナやサキシマスオウの低湿地が洪水堆積物で覆われたことが判明した。名蔵の浅海でハマサンゴの群体が枯死した時期にあたる。陸域からの土砂流出がサンゴ礁生態系に与える影響は近現代に限られた現象ではなく、先史期にさかのぼることが明らかとなった。さらに沖積化が進行することによって、遅くとも15世紀には水田という新たな景観が谷戸内に形成されていたことも判明した。 聴取調査では、建築材として大量に製造・利用されてきた漆喰にかかわる情報収集を主に進めた。石垣島では、伝統的左官ムチュヤーがサンゴを専門窯で焼いて石灰を作り、稲わらと混ぜて漆喰に加工していた。その由来は20世紀初頭に首里・那覇から移住してきた職人にさかのぼり、戦後復興期の住宅建設にともなって需要が高まったことが明らかとなった。しかし、セメント移入量の増加とサンゴ利用規制の影響によって知識の継承はなされなくなっている。 人体に摂取されたサンゴカルシウムが骨代謝と機械的骨強度の改善に役立つことがマウスへの投与試験から明らかとなった。その証左をえるために、沖縄県博所蔵の南西諸島先史人骨の頭蓋骨ブレグマ部の骨厚計測を行った。 成果の学術的公開と同時並行で、一般市民を対象とした以下のアウトリーチ活動に注力した。2012年8月11日:石垣島名蔵地区発掘地点現場説明会。2012年8月22日:港区郷土資料館夏休み子供学習会「サンゴ礁の海と人々の暮らし」。2012年9月29日:日本学術振興会ひらめき・ときめきサイエンス「外に出て『絡み合う人と自然の歴史学』を体感しよう!」。2013年3月30日:公開シンポジウム「暮らしの中のサンゴ礁」(沖縄県博)。
|
現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
備考 |
「名蔵で炭化米を発掘:1000年前の地層から」(八重山毎日新聞2012年8月12日) 「シンポ:暮らしの中のサンゴ礁」(沖縄タイムズ2013年3月25日)
|