研究領域 | サンゴ礁学-複合ストレス下の生態系と人の共生・共存未来戦略- |
研究課題/領域番号 |
20121006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
茅根 創 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60192548)
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研究分担者 |
菅 浩伸 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20294390)
波利井 佐紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30334535)
杉原 薫 独立行政法人国立環境研究所, 生物、生態系環境研究センター, 特別研究員 (90320275)
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研究期間 (年度) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | サンゴ礁 / 地球温暖化 / 酸性化 / 海面上昇 / 白化 |
研究実績の概要 |
地球温暖化の各要因に対するサンゴ礁の応答を,実際のフィールドにおいて調査した.石垣島白保サンゴ礁では,1998年以降15年間のサンゴ群集の変化を,測線・コドラート調査とB01班と連携した衛星画像解析によって解析した.1998年,2007年の高水温と,2004年の大型台風の来襲と,陸域からの土砂流入など複合的な要因によって,白保サンゴ礁は1998年白化後の2分の1から3分の1の種数と被度のまま底這い状態である.フィールドにおける実験と観察によっても,地球温暖化によって巨大化した台風の来襲によってテーブル状ミドリイシ属の生息が困難になること,水温上昇に赤土流入が加わるとミドリイシ属の回復力が低下することが明らかになり,鍵となるミドリイシ属の衰退によってサンゴ礁生態系の維持が難しくなることが予想される.一方で,完新世には小宝島のボーリングコアの精査によって,8000年前以降の温暖期にサンゴ礁上方成長速度が増加することが明らかになった.二酸化炭素が湧き出している硫黄鳥島において,サンゴ群集がソフトコーラルにシフトしていることを見出した.ソフトコーラルが卓越する海域の二酸化炭素はちょうど今世紀末に予想されている濃度であり,群集のシフトが予想される.高二酸化炭素濃度がソフトコーラルの群集代謝にメリットがあることは,飼育実験によっても確かめられた.高二酸化炭素濃度は,サンゴ礁底の炭酸カルシウム堆積物の溶解によってバッファーされる可能性もある.一方,サンゴ礁の深場(水深40m付近)に浅海で減少したサンゴ群集が発見し,深場が浅海サンゴの避難場所になり得ることを示した.また,稚サンゴが遺伝的に様々な共生藻類を獲得し,親サンゴとは異なる環境に適合した藻類と共生を確立する可能性を明らかにした.
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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