研究領域 | サンゴ礁学-複合ストレス下の生態系と人の共生・共存未来戦略- |
研究課題/領域番号 |
20121007
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
灘岡 和夫 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (70164481)
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研究分担者 |
渡邉 敦 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00378001)
宮島 利宏 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20311631)
中野 義勝 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 技術専門職員 (40457669)
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研究期間 (年度) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | サンゴ礁 / 複合ストレス / 生態系モデル / 物質循環 / ストレス制御 / 炭酸系動態 / 数値シミュレーション / 非線形応答過程 |
研究実績の概要 |
複合ストレス評価に関して、前年度に引き続き、地下水を含む様々な陸源負荷や大気経由負荷についての現地観測を行い、対応した評価モデル開発を進めた。さらに陸源負荷の生成・制御過程のモデル化に必要となる地域コミュニティの社会経済的な調査を、前年度までの石垣島に加えて宮古島、与論島においても実施し、環境負荷発生に関わる畜産やサトウキビ等の農業セクターの構造特性の相対的な特徴を明らかにした。生態系応答モデルシステムの開発に関して、システムを構成する炭酸系動態モデルや栄養塩・有機物物質循環モデル等の高度化を行った。モデル開発と併行して、サンゴ礁の炭素・窒素循環の状態を総体的に診断する新しい手法として、溶存有機炭素及び溶存全窒素の安定同位体比の時空間変動を解析することを試み、両指標とも、従来の方法では識別が難しかったこれらの成分の礁内内部生産と系外からの負荷とを定量的に区別するために優れた指標であることを明らかにした。さらに、サンゴ礁生態系短期応答モデルのキーとなる、複合ストレス下でのサンゴ群体内部の動的応答過程を表す「内部モデル」の開発をさらに進め、富栄養化や酸性化、赤土等の複合ストレス下での動的応答過程を定量的に記述できる従来にないモデルを開発することに成功した。またこの内部モデルを既に開発済みのサンゴ礁スケールの炭酸系動態モデルに組み込むことで、複合ストレスに対するサンゴ礁生態系レベルの炭素循環過程の変化を検討可能とした。新型チャンバーを用いた現地実験では、サンゴ群集や海草藻場、海藻帯といったサンゴ礁生態系基本構成要素に関し観測を実施し、代謝特性等の定量的評価を可能にした。またマングローブ生態系を含めたサンゴ礁生態系の物質循環を明らかにするために、石垣島吹通川河口マングローブ域での生態学的・水文学的データを水質データと共に取得した。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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