研究領域 | クオリア構造と脳活動から得られる情報構造の関係性理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05710
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研究機関 | 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 |
研究代表者 |
土谷 尚嗣 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 客員研究員 (80517128)
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研究分担者 |
森口 佑介 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80546581)
西郷 甲矢人 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (80615154)
Steven Phillips 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (90344209)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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キーワード | クオリア / 圏論 / 大規模心理実験 |
研究実績の概要 |
本研究領域の目的は、意識の質(クオリア)について、クオリア間の関係性(クオリア構造)に着目した新しい特徴付け手法を確立することである。具体的に、 視覚的類似性を対象として、1)クオリア構造を明らかにするための新しい心理物理学手法の確立、2)その手法に対して数学的な根拠を与えることを目指している。本年度は、新しい心理物理学手法の確立に取り組む。 より具体的には、様々な意識の質の中でも、比較的神経科学的な研究が進んでいる、視覚クオリアに焦点を当てた研究を行い、さらに同じ課題を子供(5才児から12才児まで)においても適用する。本年度の間に、2つの目標を達成する。目標1は、ある視覚刺激により生じる一瞬の体験に対して、その多様な側面を捉えるための実験パラダイムにより得たデータを論文化する。オンラインで雇用した各被験者から取得した同じ刺激に対する報告を組み合わせて、その刺激により生じる体験の様々な側面を測定するという「大規模報告課題」の詳細を論文として報告する。それをクオリア特徴づけのための心理物理課として確立させ、クオリア構造定量化に役立てる。特に、一瞬に感じられる視覚クオリアを、多数の質問を多数の被験者に対 して行うという大規模報告課題を論文化する。 目標2は、視覚的類似性という関係性をもとに して、数学的にクオリアを「圏」としてモデル化し、周辺からクオリアを特徴づけるという 本研究手法に数学的 な根拠を与える。 具体的には、数学の圏論における米田の補題を、豊穣圏の枠組みで捉え直し、また圏論において重要な概念である「随伴」を意識研究に導入する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)クオリア構造を明らかにするための新しい心理物理学手法の確立、 については、3本の論文を査読雑誌に投稿した。 2)その手法に対して数学的な根拠を与えることを目指している。 については、2本の論文を査読雑誌に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も1)クオリア構造を明らかにするための新しい心理物理学手法の確立、 2)その手法に対して数学的な根拠を与えること, を通じて、クオリア構造学の基礎となる数理と実験をつなぐ研究を行う。
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