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2022 年度 実績報告書

潜在認知過程による限界の制御とその突破

計画研究

研究領域⼼脳限界のメカニズム解明とその突破
研究課題/領域番号 20H05715
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

柴田 和久  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20505979)

研究期間 (年度) 2020-10-02 – 2023-03-31
キーワード潜在過程 / 脳 / 学習 / 知覚 / 脳活動計測
研究実績の概要

2022年度は運動学習、運動パフォーマンス、視覚の学習に関わる研究に従事した。
運動学習の限界突破についての研究では、2つの成果が得られた。第一に、指の系列順序運動訓練の前後に異なる訓練を挟んだり、脳の特定の部位を経頭蓋磁気刺激(TMS)で刺激する実験を行った。TMSを一次運動野に打つか体性感覚野に打つかで結果が異なるという 知見が得られ、Motor Control研究会にて発表を行った。第二に、外骨格ロボットを用いて受動的に指を動かす実験系を構築した。すでに学習した指運動に対して、学習の1日から数日後に同じ運動を受動的に被験者に経験させると、さらなる運動学習の促進が得られることがわかった。この知見は班会議で発表した。
運動パフォーマンスの限界突破に関わる研究では、「運動課題から気をそらすことで運動パフォーマンスの限界を超えることができる」という仮説にもとづいた実験を行った。グリップを最大限の力で握り続けるという課題を行う傍らいくつかの認知課題を行うと、認知課題が難しいほどグリップをより強く握れることがわかった。この結果は、脳が自己の運動をパフォーマンスに対して普段は能動的に抑制をかけており、記憶課題によって気が散った結果この抑制が弱まることを示唆している。これらの知見も班会議で発表した。
視覚の学習に関わる実験では、2つの成果が得られた。第一に、異なる課題を用いたとしても2つの学習の干渉が避けられない状況があることを発見し、視覚の学習における限界メカニズムの理解に寄与した。この知見はiScience誌に掲載された。第二に、伝統的な人工視覚刺激では学習が不可能であった訓練条件において、自然界に見られる視覚特徴を備えた視覚刺激を用いれば、これまで考えられていた学習の限界を超えた学習結果が得られることを発見した。またその学習における脳メカニズムを示すための脳イメージング実験も行った。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ブラウン大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ブラウン大学
  • [国際共同研究] 国立陽明交通大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      国立陽明交通大学
  • [雑誌論文] The phase of plasticity-induced neurochemical changes of high-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation are different from visual perceptual learning2023

    • 著者名/発表者名
      Lin Shang-Hua N.、Lien Yun R.、Shibata Kazuhisa、Sasaki Yuka、Watanabe Takeo、Lin Ching-Po、Chang Li-Hung
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 5720

    • DOI

      10.1038/s41598-023-32985-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Decrease in signal-related activity by visual training and repetitive visual stimulation2022

    • 著者名/発表者名
      Marzoll Andreas、Shibata Kazuhisa、Toyoizumi Taro、Chavva Isha、Watanabe Takeo
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 25 ページ: 105492~105492

    • DOI

      10.1016/j.isci.2022.105492

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 運動系列学習時の体性感覚の再生による記憶の強化2023

    • 著者名/発表者名
      大橋浩輝、村上健太郎、西岡隼人、古屋晋一、柴田和久
    • 学会等名
      学術変革領域B『限界突破』班会議
  • [学会発表] 脳による限界としてのactive suppression2023

    • 著者名/発表者名
      Sofia Lavrenteva, Kazuhisa Shibata
    • 学会等名
      学術変革領域B『限界突破』班会議
  • [学会発表] 運動系列学習の定着・再定着における一次体性感覚野・運動野の寄与2022

    • 著者名/発表者名
      大橋浩輝、柴田和久
    • 学会等名
      Motor Control研究会
  • [図書] 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか(第10章担当)2023

    • 著者名/発表者名
      柴田 和久
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      978-4-06-528363-9
  • [備考] 心脳限界のメカニズム解明とその突破

    • URL

      https://www.brainlimit.jp/

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公開日: 2023-12-25  

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