• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

心脳限界認識の哲学と心脳限界突破の倫理学

計画研究

研究領域⼼脳限界のメカニズム解明とその突破
研究課題/領域番号 20H05717
研究機関東京大学

研究代表者

中澤 栄輔  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90554428)

研究期間 (年度) 2020-10-02 – 2023-03-31
キーワード脳神経倫理 / 限界突破 / エンハンスメント
研究実績の概要

本研究は心脳限界の認識と突破に関する科学哲学・倫理学である。領域に特有の倫理的・法的・社会的課題を人文学的に掘り下げ、限界認識・突破の概念を彫琢することで、心脳限界突破という新たな融合学問領域に社会的・学問論的位置づけを与えるものである。こうした目的のもと、本研究は大きく心脳限界認識の哲学と心脳限界突破の倫理学に二分される。哲学的考察においては心の哲学、現象学、社会哲学の知見を援用しながら自己の限界の認識、およびその認識の条件を検討する。倫理学的考察においては、理論的方法、経験的方法双方を混合させ、限界突破の倫理的妥当性を人間的および社会的側面から検討する。本研究の成果により「心脳限界突破の哲学と倫理」という学問領域が整備される。この新たな学問領域は脳神経哲学・脳神経倫理学のエンハンスメント論を刷新し、心脳限界突破の科学によって浮かび上がる新たな人間像を社会に提示することで、将来社会実装されうる超人間についての人文学の創生を促す。
1年目(2020年度)は、心脳限界認識の哲学に関して文献研究を開始した。既存の心の哲学、現象学の文献から心脳限界認識に関連する哲学的議論を抽出し、論点の整理を行うことで、議論のテーブルを設定した。それをもとに、領域全体での会議において、限界突破概念について哲学的整理を行った。また、倫理研究としてはエンハンスメントと人間性、社会性について国民の意識を調査した。2020年3月末現在、本調査は実査を終了し、分析を行っている。調査研究は病態・健常・卓越の各群に対して実施し、群間差と各群の特徴を理論研究に反映させることにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

心脳限界認識の哲学に関して文献研究を開始し、その成果の一部(限界突破の概念分析)について領域全体の会議において情報共有することで、計画版としての一定の役割を果たすことができた。また、限界突破とエンハンスメントについての市民の意識について、計画通り、調査を行うことができた。ただし、調査結果の分析についてはまだ十分ではなく2021年度も継続して分析を実施する必要がある。

今後の研究の推進方策

1年目(2020年度)の調査研究に基づいて、2年目(2021年度)は限界突破概念およびエンハンスメント概念についての分析を本格化させることが必要である。
心脳限界認識の哲学に関しては文献研究による成果を踏まえ、それぞれ異なった哲学倫理学領域を専門とする研究者複数人によるグループ検討を実施する予定である。
また、倫理研究としてはエンハンスメントの社会性について文献研究を実施した後、グループ検討を行う。グループ検討によって、は論点の分析を深め、論点を枚挙することができる。
以上の成果をもとに、限界突破の哲学と倫理学およびエンハンスメントに関するシンポジウムを開催し、研究者間の認識のすり合わせを行うことを予定している。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi