研究領域 | 中近世における宗教運動とメディア・世界認識・社会統合:歴史研究の総合的アプローチ |
研究課題/領域番号 |
20H05719
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大貫 俊夫 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30708095)
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研究分担者 |
菊地 重仁 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80712562)
金沢 百枝 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (10548001)
安藤 さやか 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (90807504)
山本 潤 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (50613098)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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キーワード | ヨーロッパ中世 / 観想修道院 / 典礼 / メディア / 写本 / ベネディクト修道院 / シトー会 |
研究実績の概要 |
本計画研究は、キリスト教の教義に対して信徒の「身体的な適応」が進展したとされる9-13世紀前半のヨーロッパ社会を対象に、観想的な生活を送る修道院が形成した「典礼空間」の内実と変遷過程を明らかにすることを目的としている。考古学研究が取り組んできた修道院建築の空間再構成に学びつつ、これまで十分な連携がなされてこなかった人文学3分野(歴史学、美術史学、文学)が互いの成果を参照し合い、文字テクストと図像の相互比較を実現し、分野横断の体制で「典礼空間」の特質を解明する。 本年度は、研究代表者と研究分担者が計画に沿ってそれぞれの研究を進めた。コロナ禍により当初予定していた海外資料調査は実現しなかったが、成果報告の場として研究会を2回にわたりオンラインで開催し、第1回において安藤さやか「カロリング朝期の装飾イニシアル─様式展開と典礼における機能」、大貫俊夫「シトー会における歴史叙述と典礼─研究の方針を中心に─」、第2回において金沢百枝「ロマネスク美術と典礼」、菊地重仁「カロリング期における修道士共同体と「壁の外」」、山本潤「中世ドイツ語叙事詩の教化的機能」の各報告が行われた。 また、繰越分の使途として海外資料調査を想定していたが、これも引き続きコロナ禍により実現しなかった。しかし、これを活用してReMo研公開セミナー「アクアマニーレと典礼空間の形成」を計画し、本計画研究班からは金沢百枝、大貫俊夫、山本潤が、そして日本中世寺社班からは苅米一志が報告・コメントの準備を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により当初予定していた対面の会議や海外資料調査は実現できなかったが、研究代表者と研究分担者は研究計画に従ってそれぞれ調査を進め、その成果を論文やオンライン会議などで公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍にあって、引き続き海外資料調査は容易ではない。そうした制約はあるが、当初の計画に従って各自研究を進め、他の計画研究班と連携して新たな視点から公開セミナーなど共同研究を計画・実施することが最善であると考える。
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