研究領域 | 中近世における宗教運動とメディア・世界認識・社会統合:歴史研究の総合的アプローチ |
研究課題/領域番号 |
20H05722
|
研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
苅米 一志 就実大学, 人文科学部, 教授 (60334017)
|
研究分担者 |
川崎 剛志 就実大学, 人文科学部, 教授 (70281524)
佐々木 守俊 清泉女子大学, 文学部, 教授 (00713885)
守田 逸人 香川大学, 教育学部, 准教授 (10434250)
服部 光真 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (00746498)
小林 郁 皇學館大学, 研究開発推進センター, 助教 (90779654)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
|
キーワード | 日本中世 / 寺社 / 参詣 / 巡礼 / 遊歴 / 文献資料 / 考古資料 / 美術資料 |
研究実績の概要 |
方法論としては、第一に地域寺社の有する資料(教化のメディア)に注目し、寺社の構造と民衆との関係性を明らかにした。第二に、僧伝史料・寺社縁起を収集してその読解を進め、彼らの移動と交流がとりもつ地域寺社どうしの関係性を明らかにした。第三に、考古学・美術史分野の資料を活用し、遊歴・参詣・巡礼の実態について解明した。 具体的な研究分担としては、川崎剛志が修験道に関する古文書の他、文学作品を利用した研究、佐々木守俊が仏像を中心とした中世仏教美術の研究、守田逸人が四国遍路を中心とした巡礼寺院の研究、服部光真が古文書を中心とした寺院所蔵資料の総合的研究、小林郁が伊勢神宮を中心とした参詣文化の研究を進展させている。成果を持ち寄る研究会はほぼ隔月で実施され、それぞれが研究する寺社を西洋の修道院と比較可能とするため、いくつかの特質を抽出したマトリックスを作成して研究発表を行なった。また随時の研究会として研究分担者および協力者が研究発表を行なっている。具体的には、守田逸人が善通寺文書の形成について、古代から近代までを見通した報告を行ない、千枝大志が戦国期における伊勢神宮の門前町の展開について報告を行なった。これらの報告には、他3班の構成員も参加している。 以上を通して、中世日本の地域寺社により、どのように世界認識が構築され、社会統合がなされていたかを明らかにした。その上で、ヨーロッパ史を中心とする他研究班と共同し、各々の成果を比較・検討した。当所、研究方針として挙げられた「人の移動・交流に使用された経路を実地踏査する」という点については、各所属機関の行動制限により、まだ実施が難しい状況であるが、次年度以降の実施を目指すこととした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特に「移動・交流に使用された経路を実地踏査する」という当所の方針が、各所属機関の行動制限により実施できていない。また最終年度に向けた、海外でのシンポジウム開催の準備についても見通しが得られていない。
|
今後の研究の推進方策 |
国内における研究調査旅行ついては、各所属機関の行動制限のレベルを見極めて実施の時期を練り直す一方、現地調査報告書などの媒体が存在する場合は、それらを最大限に利用・参照していきたい。また、海外におけるシンポジウム開催については、オンライン開催など、他の方法を検討することとしたい。
|