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2020 年度 実績報告書

機能性ラマンプローブのための誘導ラマン散乱顕微鏡の最適化・高度化

計画研究

研究領域機能性ラマンプローブによる革新的多重イメージング
研究課題/領域番号 20H05725
研究機関東京大学

研究代表者

小関 泰之  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60437374)

研究期間 (年度) 2020-10-02 – 2023-03-31
キーワードラマンプローブ / 誘導ラマン散乱 / 多重イメージング
研究実績の概要

1. ラマンプローブの計測実験:小関班が所有するビデオレート誘導ラマン散乱(stimulated Raman scattering, SRS)顕微鏡を用いて、神谷班によって合成された種々のラマンプローブ候補分子のSRS計測実験を進めた。
2. 光スイッチングラマンプローブの実証実験:既存のフォトクロミック分子であるcis-1,2-dicyano-1,2-bis(2,4,5-trimethyl-3-thienyl)etheneが開環体・閉環体で異なるラマン応答を示すことを見出した。さらにこの分子を培養細胞に投与し、375 nm/532 nmの連続光を照射しつつラマン指紋領域にいてSRSイメージングを行うことで、SRS信号が可逆的にON/OFFできること、すなわち当該分子が光スイッチングラマンプローブとして使用できることを実証した。
3. ラマン標識分子のSRSイメージング:小幡班と連携し、重水素標識したアミノ酸を細胞に投与し、アミノ酸の細胞内への取り込みのSRSイメージング実験を進めた。本技術は細胞のアミノ酸代謝計測法に発展していくものと期待される。
4. ラマンプローブに適したSRSイメージングのためのファイバー光源の開発:高機能ラマンプローブでは前期共鳴条件を満たす波長のレーザーを用いることが重要であるが、現在のSRSイメージングシステムでは波長が843 nmに固定されているため、これが分子デザインにおける制限要因となっている。この課題を解決するため、自在な波長の光パルスを発生するためのファイバーレーザー光源としてのファイバー光パラメトリック発振器及びその励起用パルス光源の開発を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

神谷班、小幡班との共同実験を通じ、上述の研究実績が順調に得られている。また、2020年12月から博士研究員が本研究計画に参画し、SRS計測を行う体制を拡充できた。さらに、2021年度に開発予定の超解像光学系に必要な部材を入手済みである。

今後の研究の推進方策

引き続き神谷班、小幡班と密に議論しながら、共同実験をさらに活発化させていく。並行して光学系やレーザー光源の開発を推進する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Photoswitchable stimulated Raman scattering spectroscopy and microscopy2021

    • 著者名/発表者名
      Shou Jingwen, Ozeki Yasuyuki
    • 雑誌名

      Optics Letters

      巻: 46 ページ: 2176~2176

    • DOI

      10.1364/OL.418240

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reduction of excess intensity noise of picosecond Yb soliton fiber lasers in a >10-mW power regime2021

    • 著者名/発表者名
      G. Dai, K. Katoh, and Y. Ozeki
    • 雑誌名

      Opt. Express

      巻: 29 ページ: 11702-11711

    • DOI

      10.1364/OE.422846

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multicolor activatable Raman probes for simultaneous detection of plural enzyme activities2020

    • 著者名/発表者名
      H. Fujioka, J. Shou, R. Kojima, Y. Urano, Y. Ozeki, and M. Kamiya
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc.

      巻: 142 ページ: 20701-20707

    • DOI

      10.1021/jacs.0c09200

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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