研究領域 | 革新的超小型衛星による機動的で高頻度な深宇宙探査領域の開拓 |
研究課題/領域番号 |
20H05747
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
永田 晴紀 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40281787)
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研究分担者 |
KAMPS LANDON 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (70869502)
脇田 督司 北海道大学, 工学研究院, 助教 (80451441)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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キーワード | ハイブリッドロケット / キックモータ / 地上燃焼実験 / ノズル浸食 |
研究実績の概要 |
静止トランスファー軌道まで相乗りし、近地点で1 km/s前後の増速を与えて月、火星、金星等へ向かう超小型深宇宙探査機用のキックモータ(軌道変換用上段ロケット)をハイブリッドロケットにより実現するため、高比推力(適切な燃料/酸化剤流量比)を維持する固体燃料形状設計の自在性、ノズルスロート浸食履歴を予測した上での最適ノズル形状設計、およびノズルスロート浸食を抑制する作動条件およびノズル材料、を得るのが本研究の目的である。初年度はエンジニアリングモデルモータを開発して地上燃焼実験を実施し、以下に示す成果を得た。 ・エンジニアリングモデルモータを製作し、70秒の燃焼実験を実施した。良好な燃焼履歴が得られ、フライトモータと同じ酸化剤供給系の機能実証、アウトガスが発生しない気密構造の実証、およびノズル周辺の熱遮蔽の実証を完了した。 ・得られた推力履歴を真空雰囲気条件に換算すると要求速度増分が得られていることを確認した。推力、燃焼室圧力、およびノズルスロート浸食の各履歴についても予測との誤差が許容範囲内であることを確認した。 ・モータと同じ燃料および酸化剤を用いた、再点火が可能な点火装置を新たに開発し、6回の再点火に成功した。停止および再点火が可能になった事により軌道上で複数回のキックが可能となり、遷移先軌道の選択肢が広がった。また、真空雰囲気での点火にも成功した。 ・高空燃焼実験装置とエンジニアリングモデルモータとのインタフェース構造を製作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エンジニアリングモデルモータを製作し、大気圧雰囲気で不具合なく作動し、設計通りの機能が得られる事を確認出来たことにより、今年度到達目標を全て達成した。
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今後の研究の推進方策 |
R3年度中にフライトモータを製作して燃焼実験を実施する。燃焼実験は高空燃焼実験装置中で行い、3軸方向の推力およびモーメント(6分力推力)を取得する。
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