研究領域 | 革新的超小型衛星による機動的で高頻度な深宇宙探査領域の開拓 |
研究課題/領域番号 |
20H05749
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
尾崎 直哉 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任助教 (90836222)
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研究分担者 |
菊地 翔太 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (90830068)
佐々木 貴広 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (00835168)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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キーワード | 自律化 / 軌道決定 / 軌道設計 / 超小型衛星 / 軌道制御 |
研究実績の概要 |
今年度は「自律的軌道決定手法に関する調査」および「チーム構築・環境整備」を行った. 「自律的な軌道決定手法に関する調査」は,電波航法(レンジ・ドップラー・DDOR),光学航法(対惑星,衛星間光通信),レーダー航法,X線パルサー航法などの手法を調査し,それぞれの手法のメリット・デメリットをまとめ,実用性について議論を進めている.また,実証ミッションとして,今年度打上げ予定の超小型宇宙機EQUULEUSを用いた光学航法およびOne-wayドップラー観測による自律的な軌道決定手法の軌道上実証を進めるための検討を開始している. 「チーム構築・環境整備」としては研究代表者・研究分担者を中心に当該分野の研究者を集めた研究会を月例で開催している.この月例研究会を通じて,提案する準自律的軌道決定・軌道設計手法のアプリケーション(小惑星探査,ランデブードッキング,ソーラー電力セイル,エアロキャプチャ等)の探索を進めたいと考えている.また,軌道計算環境として,高性能なGPUワークステーション(Intel Core i9 18コア/36スレッド,NVIDIA Quadro GV100を搭載)を導入し,研究者らで共同利用可能なGPUによる超並列計算可能な環境を整えている. 今年度の研究成果は2021年2月8日にオンライン開催された「超小型探査機を用いた月以遠深宇宙探査に関する研究会」にて発表している.また,自律的な軌道決定手法に関する調査結果を整理し,日本航空宇宙学会等の論文誌への投稿を検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検討チームやGPUワークステーションの環境整備等,研究をスタートする上での第一ステップを進めることができたため,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究としては,数値シミュレーションによる自律的な軌道決定手法の性能評価を行い,各手法の有効性を検証する.実用ミッションで使えるクロックおよび観測機器の時刻精度・観測精度等を含めた実用性の評価を行う.更にそれらの軌道決定精度を複合的に扱う軌道設計手法を編み出す.これらの計算には膨大な時間がかかることが予想されるため,整備されたGPUワークステーションを用いた軌道計算の高速処理を行う. 上記に示す軌道解析結果を受けて,実証ミッションで用いるクロックおよび観測機器を整理し,探査機システム設計に反映することを考えている. また,研究会を通じて,準自律的な軌道決定・軌道設計手法のアプリケーションの探索を行う.
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