計画研究
マーモセットiPS細胞から精子を産生することを目標に研究を進めた。前年度はマウスを用いてマーモセット始原生殖細胞様細胞(PGCLC)の発生を進めた。当該年度は、自家移植によりマーモセットPGCLCの発生を進めることを目指した。同種移植によってより発生に適した環境となることを期待した。マーモセットの新生児精巣とPGCLCから再構成精巣が作製できることをin vitroの実験で明らかにした。再構成精巣を自家移植しPGCLCの発生を進めるために、最も簡単に組織片・細胞塊を生育させることができる腎被膜下を利用しすることにした。出生後間もないマーモセットから片側精巣を採取し凍結保存するとともにiPS細胞を樹立した。そのiPS細胞からPGCLCを誘導し、凍結保存していた精巣と細胞塊を作製し、もとの個体の腎被膜下に自家移植を行った。3か月後に移植した細胞塊から再構成精巣が形成されているのを確認し採取を行った。再構成精巣の中でPGCLCは前精原細胞まで発生が進んでいた。MageA4の発現は見られたが、PIWIL4の発現は観察されなかったため、初期の前精原細胞と考えられた。実際の発生においても初期のPGCから前精原細胞への発生は3カ月程度かかるため、生体内の発生と同様なスケジュールで発生していると予想された。現在、長期培養を進めるとともに精巣への移植を行っている。マーモセットPGCLCを自家移植により発生を進める系を確立した。マーモセット初期発生を遺伝子改変技術を用いて解析を行う系を確立するとともに、今後より分化を進め遺伝子改変動物を作製を目指す基盤を確立した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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bioRxiv
巻: Posted September 20, 2022. ページ: N/A
10.1101/2022.09.20.508677