今後の研究の推進方策 |
IFN誘導性GTPaseはトキソプラズマだけではなく、同じ胞子虫類であるマラリア原虫や、結核(マイコバクテリウム)菌やサルモネラ菌などの細胞内寄生性微生物が作る病原体含有小胞にも蓄積する。特にGBP欠損マウスは肝臓期マラリア原虫を制御できずに原虫数が有意に多くなることを見出している。マラリア原虫感染肝臓においてGBP欠損によって起きる遺伝子発現を網羅的にRNAseqで検討する。またGBPが細胞死に関与するという報告もあることから、野生型及びGBP欠損肝臓細胞において原虫感染による細胞死を検討する。GBPはNLRP3依存的な細胞死に役割があることから、NLRP3, Caspase-1, Caspase-11やASCのマラリア原虫感染とサルモネラ菌やレジオネラ菌感染防御における役割を、各遺伝子欠損マウス由来の肝臓細胞(肝臓期マラリア原虫感染細胞)及びマクロファージまたは肺上皮細胞・肺胞マクロファージで検討する。マラリア原虫およびマイコバクテリウム、サルモネラ菌およびレジオネラ菌感染マウスの生存率の測定や血液中の炎症性サイトカインの測定を行い、生体レベルでの免疫応答を検討する。
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