昼夜でおおきく変化する環境下において恒常的に健康を維持するためには全身の37兆個もの細胞がそれぞれバラバラではなくテンポを揃えてリズムを刻む必要がある。これまでに、体内でおこる数℃レベルの基礎体温の変化が全身のリズムの調和に寄与すると示されてきたが分子機構が不明であった。このような中、我々は、時計遺伝子Per2の5’UTRに最小単位uORFという新しいRNAエレメントを同定し、これが体温に応じた細胞のリズム位相合わせに必須であることを示した(Cell Rep 2023)。uORFを介したPer2の翻訳制御は効率的な傷の治癒に寄与するため医学的にも重要と考えられる(科学新聞2023/3/17)。
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