研究領域 | シナジー創薬学:情報・物質・生命の協奏による化合物相乗効果の統合理解と設計 |
研究課題/領域番号 |
20H05799
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
合田 光寛 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40585965)
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研究分担者 |
八木 健太 徳島大学, 病院, 特任助教 (10869085)
相澤 風花 徳島大学, 病院, 特任助教 (80848367)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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キーワード | 薬剤シナジー効果 / 遺伝子発現データベース / オミックスデータベース / 病態モデル解析 |
研究実績の概要 |
多剤併用による薬剤シナジー効果を適切に解析できる薬効評価系の構築には、病態の一部の遺伝子やタンパク質発現変化を模倣しただけでは不十分であり、病態のメカニズムを網羅的遺伝子・タンパク質発現変化で解析可能な評価系が必要である。 本研究では、ヒトのがんおよび各疾患ゲノム・ビッグデータを用いた in silico解析とこれまでに研究代表者が蓄積してきた細胞・動物の病態モデルの解析データを統合し、ヒトの病態時に起こる遺伝子・タンパク質発現変化プロファイルを網羅的に解析できる病態モデルを確立し、薬剤のシナジー効果とその作用機序を解明する手法を構築することを目的とする。 本年度は、AI班、医療ビッグデータ班から提供されたシナジー効果を有する可能性の高い薬剤、化合物の組み合わせに関して、病態モデルを用いてシナジー効果の検証を行い、結果をそれぞれの計画班にフィードバックした。具体的には、AI班が予測した慢性骨髄性白血病に対するシナジー効果を有する組み合わせに関して、ヒト慢性骨髄性白血病細胞に対する効果を検証した。その結果、予測された組み合わせのうちの80%以上が相乗効果を示すことが明らかになった。また、医療ビッグデータ班が予測した抗がん剤誘発末梢神経障害に対する予防薬候補に関して、病態モデルを用いた検証を行った結果、抗がん剤誘発末梢神経障害に対する有意な予防効果が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、AI班、医療ビッグデータ班から提供されたシナジー効果を有する可能性の高い薬剤、化合物の組み合わせに関して、病態モデルを用いてシナジー効果の検証を行い、結果をそれぞれの計画班にフィードバックした。具体的には、AI班が予測した慢性骨髄性白血病に対するシナジー効果を有する組み合わせに関して、ヒト慢性骨髄性白血病細胞に対する効果を検証した。その結果、予測された組み合わせのうちの80%以上が相乗効果を示すことが明らかになった。また、医療ビッグデータ班が予測した抗がん剤誘発末梢神経障害に対する予防薬候補に関して、病態モデルを用いた検証を行った結果、抗がん剤誘発末梢神経障害に対する有意な予防効果が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、AI班、医療ビッグデータ班から提供されたシナジー効果を有する可能性の高い薬剤、化合物の組み合わせに関して、病態モデルを用いてシナジー効果の検証を行い、結果をそれぞれの計画班にフィードバックした。具体的には、AI班が予測した慢性骨髄性白血病に対するシナジー効果を有する組み合わせに関して、ヒト慢性骨髄性白血病細胞に対する効果を検証した。その結果、予測された組み合わせのうちの80%以上が相乗効果を示すことが明らかになった。また、医療ビッグデータ班が予測した抗がん剤誘発末梢神経障害に対する予防薬候補に関して、病態モデルを用いた検証を行った結果、抗がん剤誘発末梢神経障害に対する有意な予防効果が認められた。 AI計画班の解析により予測された多剤併用による遺伝子発現変化と実際のモデルを 用いたトランスクリプトーム・プロテオームの相違を解析し、その結果をフィードバックすることで、 AIの予測モデルを改良するための新規ヒトオミックスデータベース構築に貢献する。
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