研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
20H05805
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 悠 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (50631909)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | ウェルビーイング / 主観的幸福感 / ソーシャルサポート / 公的サービス / 社会調査 |
研究実績の概要 |
2020年度には、翌年度の調査実施に向けて、予備調査としてのインターネット調査を実施した。その際、以下の諸効果の推定を想定した。まず、ソーシャルサポートがウェルビーイングに与える効果として、第1に「直接的にウェルビーイングに影響する」という直接効果を想定した。また第2に、「公的サービスの利用に影響することで、間接的にウェルビーイングに影響する」という間接効果も想定した。つぎに、公的サービスがウェルビーイングに与える効果として、第1に「直接的にウェルビーイングに影響する」という直接効果を想定した。また第2に、「ソーシャルサポートのやりとりに影響することで、間接的にウェルビーイングに影響する」という間接効果も想定した。そこでこれら4つの可能性を考慮して、以下の4つのリサーチクエスチョンを設定した。 ① 誰との間のどのようなソーシャルサポートのやりとりがどの程度増えると、どの種類のウェルビーイングがどの程度改善するのか ② 誰との間のどのようなソーシャルサポートのやりとりがどの程度増えると、どのような公的サービスの利用がどの程度減るのか ③ どのような公的サービスの利用がどの程度増えると、誰との間のどのようなソーシャルサポートのやりとりがどの程度増えるのか ④ どのような公的サービスの利用がどの程度増えると、どの種類のウェルビーイングがどの程度改善するのか 上記①~④を検証するために、調査票では、現在のウェルビーイングと、幼少期から現在までに経験したソーシャルサポートや公的サービスについての質問を含めた。その上で、2021年2月20~25日にインターネット調査を実施し、全都道府県の20~69歳男女の構成比に合わせた計20,000名から回答を得た。その回答データを用いて、上記①~④に関連する諸仮説について、現在分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
京都大学大学院人間・環境学研究科人間情報研究・動物実験倫理委員会の承認を受けた上で(承認番号20-H-33)、調査会社に委託し、2021年2月20~25日にインターネット調査を実施した。全都道府県の20~69歳男女の構成比(47都道府県×2性別×5歳刻み年齢10層)に合わせた計20,000名から回答を得た。その回答データを用いて、本研究が扱う諸仮説について、現在分析を進めている。以上の進捗はおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度には、本年度に実施したインターネット調査のデータをひきつづき分析するとともに、その分析結果をふまえて、2021年度後半(あるいは新型コロナウイルス感染症の流行状況によっては2022年度)に予定している郵送調査の調査設計と調査票作成を行う。 データ分析の際には、先述の①~④のリサーチクエスチョンを検証することを目的として、主に成育環境と現在のウェルビーイング、およびそれらをつなぐ媒介変数に着目する。さらに、その分析結果をふまえながら、郵送調査の調査設計では、現在のウェルビーイングと、幼少期から現在までに経験したソーシャルサポートや公的サービスについての質問項目を精査する。
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