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2023 年度 実績報告書

考古遺物の材料分析と産地推定

計画研究

研究領域中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ
研究課題/領域番号 20H05817
研究機関明治大学

研究代表者

神谷 嘉美  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (90445841)

研究分担者 南 武志  奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00295784)
飯塚 義之  金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員研究員 (90804203)
石田 智子  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)
渋谷 綾子  東京大学, 史料編纂所, 特任助教 (80593657)
研究期間 (年度) 2020-11-19 – 2025-03-31
キーワード漆器 / 水銀朱 / 残存デンプン粒分析 / 石器石材 / 中国由来 / 科学分析
研究実績の概要

2023年度(令和5年)は、COVID-19の影響による国内外の移動や渡航制限が緩和されたことで、これまで延長・中止してきた現地調査を進めることができた。さらに中国から2名の研究者・国内研究者4名を招聘して、2024年2月に奈良県立橿原考古学研究所ならびにZoomウェビナーによるハイブリッド形式にて、公開国際シンポジウム「古代中国と日本をめぐる最新調査研究」を開催した。当日は講堂現地での日中の同時通訳ならびにウェビナー上での日中通訳を聴講できるようにした。さらに海外への研究手法の発信として、2022年8月に公開した分析ハンドブックの英語版を作成した。
神谷は沖縄・モンゴルでの現地調査を実施し、モンゴルに中国由来の漆器が数多く出土していることを確認した。また2024年2月に「漆器の科学分析に関する研究会」をモンゴルにて開催し、匈奴時代の漆器発掘や文化遺産の保護に従事する研究者らが各機関より参加した。飯塚は、日本国内に収蔵されている中国由来(古代以前の渡来品および近世以降の搬入品)の文化財の分析を再開し、国内外での研究発表ならびに論文執筆を積極的に行った。石田は、日本国内で所蔵している関係資料の情報収集を行うとともに、國學院大學博物館から預かっている資料整理および記録作成を進めた。渋谷は、ウズベキスタン・ダルヴェルジン遺跡から出土した磨石2点に対し、残存デンプン粒分析を行った。南は山東大学との共同研究を進めながら、秦以前の時代の古代中国15遺跡出土朱の産地推定を硫黄同位体比分析から試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

中国での現地調査は依然としてできていないものの、中止・延期してきた国内外での現地調査について実施でき、現地調査を通して中国由来の出土遺物の分析サンプルを複数得ることができた。加えて、国内外でのアウトリーチ活動、論文発表など、成果は着実に得られてきている。

今後の研究の推進方策

COVID-19の流行によって拡大によって、分析サンプルの入手が課題になっていたが、漆器、石器・玉器、水銀朱で新たなサンプルを複数得ることができたため、これらの分析を進めながら、追加調査を適宜実施する。さらにこれまでの文献調査・現地調査の成果や、分析結果を取りまとめ、積極的に論文執筆を進める。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [国際共同研究] 山東大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      山東大学
  • [国際共同研究] National Center for Cultural Heritage(モンゴル)

    • 国名
      モンゴル
    • 外国機関名
      National Center for Cultural Heritage
  • [雑誌論文] 中国産水銀朱を用いた古代日本の遺跡の時代変遷と地域性2024

    • 著者名/発表者名
      神谷嘉美・高橋和也・南武志
    • 雑誌名

      日中共同研究成果報告書3 (中村慎一編著)「動物・植物・鉱物から探る古代中国」Ⅲ.遺物の考古科学的研究

      巻: - ページ: 235-249

  • [雑誌論文] 玉:ヒスイとネフライト-石材の科学分析を通してつながる世界と日本の考古学-2024

    • 著者名/発表者名
      飯塚義之
    • 雑誌名

      文明動態学

      巻: 3 ページ: 141-153

  • [雑誌論文] 東アジアにおける残存デンプン粒分析の進展2024

    • 著者名/発表者名
      渋谷綾子
    • 雑誌名

      (中村慎一監修)「東アジア考古科学の新展開」2.動植物の考古学

      巻: - ページ: 97-106

  • [雑誌論文] 非破壊化学分析による鳥浜貝塚出土の縄文石器石材研究:二種類のネフライト製石器の再発見2023

    • 著者名/発表者名
      飯塚義之・鯵本眞友美
    • 雑誌名

      鳥浜貝塚研究

      巻: 7 ページ: 23-35

  • [雑誌論文] Glass ornaments from southwestern Taiwan: new light on maritime glass exchange across Southeast, South and West Asia in the early-mid 1st millennium CE2023

    • 著者名/発表者名
      Wang Kuan-Wen、Dussubieux Laure、Iizuka Yoshiyuki、Li Kuang-ti、Tsang Cheng-hwa
    • 雑誌名

      Heritage Science

      巻: 11 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s40494-023-01093-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 岩石学からみた考古遺物の研究 - 北陸地方縄文時代前期のネフライト製石器とその来源-2023

    • 著者名/発表者名
      飯塚義之
    • 雑誌名

      2023年度日本考古学協会宮城大会「災害と境界の考古学」(第2分科会「東北先史時代の越境と交流ー東アジアの中の日本先史文化、先史時代の越境と交流」)発表要項集

      巻: - ページ: 203-212

  • [雑誌論文] 南部九州における土製勾玉の出現と展開2023

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 雑誌名

      鹿児島考古

      巻: 52 ページ: 73-87

    • 査読あり
  • [学会発表] 漆器片の科学分析から試みる塗装プロセスの復元研究2024

    • 著者名/発表者名
      神谷嘉美
    • 学会等名
      公開国際シンポジウム・第30回領域セミナー「古代中国と日本をめぐる最新調査研究」
  • [学会発表] 同位体分析から試みる遺跡出土朱の産地推定2024

    • 著者名/発表者名
      南武志
    • 学会等名
      公開国際シンポジウム・第30回領域セミナー「古代中国と日本をめぐる最新調査研究」
  • [学会発表] 漆塗りの欠片を分析して見えてくること2024

    • 著者名/発表者名
      神谷嘉美
    • 学会等名
      漆器の科学分析に関する研究会
  • [学会発表] オホーツク文化に見られる大陸系の銅器・青銅器-金属成分と製作技術の比較から-2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木 舞・飯塚義之
    • 学会等名
      第23回北アジア調査研究報告会
  • [学会発表] 考古生化学と史料学をむすぶ2024

    • 著者名/発表者名
      渋谷綾子
    • 学会等名
      近江貝塚研究会第363回例会
  • [学会発表] 横浜ユーラシア文化館所蔵金属製馬具装飾の研究(契丹金工品研究 第4報)2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 舞・飯塚義之
    • 学会等名
      アジア鋳造技術史学会2023 年度大会
  • [学会発表] 岩石学からみた考古遺物の研究―北陸地方縄文時代前期のネフライト製石器とその来源-2023

    • 著者名/発表者名
      飯塚義之
    • 学会等名
      2023年度日本考古学協会宮城大会(第2分科会)
  • [学会発表] 島根県立古代出雲歴史博物館所蔵の中国北方系青銅器の金属化学組成2023

    • 著者名/発表者名
      松本圭太・飯塚義之・鈴木 舞
    • 学会等名
      2023年度日本中国考古学会
  • [学会発表] 今日うちでなに食べる?デンプンから探る遺跡と古文書2023

    • 著者名/発表者名
      渋谷綾子
    • 学会等名
      地域の文化・歴史再発見講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 弥生時代の土製勾玉からみた地域間関係:南部九州を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 学会等名
      2023年度鹿児島県考古学会
  • [学会・シンポジウム開催] 公開国際シンポジウム「古代中国と日本をめぐる最新調査研究」2024

  • [学会・シンポジウム開催] 漆器の科学分析に関する研究会2024

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公開日: 2024-12-25  

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