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2021 年度 実績報告書

思想と戦略が織りなす信頼構築

計画研究

研究領域イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造
研究課題/領域番号 20H05828
研究機関大阪大学

研究代表者

山根 聡  大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)

研究分担者 池田 一人  大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (40708202)
青山 弘之  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450516)
菅原 由美  大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80376821)
工藤 正子  立教大学, 観光学部, 教授 (80447458)
飯塚 正人  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90242073)
中溝 和弥  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
研究期間 (年度) 2020-11-19 – 2025-03-31
キーワードイスラーム信頼学 / イスラーム思想 / 戦略性 / 現代イスラーム / アフガニスタン / ターリバーン
研究実績の概要

2021年度のイスラーム信頼学B02班では、いまだにCOVID-19の影響で研究活動が制限される中、各々の研究分担者が国内で調査・研究を継続すると共に、オンライン会議を活用して多くのワークショップを開催し、ここまでの研究成果の報告や議論の深化を図った。
まず、研究成果の共有の場として「思想と戦略に見るムスリム・コネクティビティ」と題するワークショップ・シリーズを展開し、2021年10月25日にはパキスタン・アフガニスタンとシリア、2022年2月12日にはミャンマーとインドネシア、3月2日には日本とインドをそれぞれ事例として、世界各地におけるムスリムの関係構築の実践とそこで生じる諸問題、そして政治権力との連関についての報告がなされ、議論を交えて知見の共有と議論の整理が行なわれた。また、各報告には他の研究班からコメンテーターを招聘し、今後研究をより多角化していくための多くの視座や論点が提供された。
また、2021年7月26日に開催したワークショップ「紛争影響地域における他者との関係性―シリア、レバノン、パレスチナの事例から」および10月16日開催のワークショップ「日本のムスリムのコネクティビティ」では、B02班分担者がコメンテーターとして参加し、他の分担者も交えて各地の事例に沿った活発な議論がなされた。
最後に、アフガン情勢の急変という時局の要請に応じて、2021年8月中に3度の講演会を開催し、B02班研究代表の山根聡がアフガニスタンの最新情勢を整理すると共に、そこに見られるターリバーンの思想やアフガニスタンの人々が取った戦略を分析した。また、2022年3月26日にもワークショップ「アフガニスタン問題と越境的イスラーム主義の起源」を開催し、時事的な主題を通してムスリムの関係構築が現出する多様な局面について議論が進められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍にあっても、国内でのオンライン研究会を実施することができ、分担者による各自の具体的な研究内容を共有する研究会を実施した。また、本研究課題に即した研究成果を論文や著作で公開することができた点で、研究面での進捗が見られた。ただ、コロナ禍の渡航制限がまだ残っているために、海外での調査はまだ限定的になった。

今後の研究の推進方策

次年度は、まず分担者の研究報告を引き続き実施して、研究内容の共有を行う。また、秋には本計画研究が主催する国際会議を大阪大学で開催する予定であり、そのために内外の研究者と連携して、全体のテーマ設定とともに、会議の構成を確定させる。また、この会議に合わせて研究会を開催し、海外の研究者とともに国際会議での内容に関連した研究報告を行うことで、研究の深化をはかる。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 2021年のパキスタンにおける対アフガニスタン外交の変化と中国の支援2022

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 雑誌名

      国際情勢

      巻: 92 ページ: 121, 132

  • [雑誌論文] シリア大統領選挙:将来に向けた真の課題2022

    • 著者名/発表者名
      青山弘之
    • 雑誌名

      中東研究

      巻: 543 ページ: 30, 50

  • [雑誌論文] シリアにおける米国の軍事介入と部隊駐留の変遷(2011~2021年)2022

    • 著者名/発表者名
      青山弘之
    • 雑誌名

      国際情勢紀要

      巻: 92 ページ: 97, 119

  • [雑誌論文] Muslim Writers and Food in North India, 1850-1920: Nostalgia and Uneasines2021

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 雑誌名

      International Journal of South Asian Studies

      巻: 11 ページ: 18, 32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Politics of Obedience: The BJP System and the 2020 Bihar State Assembly Election2021

    • 著者名/発表者名
      NAKAMIZO Kazuya
    • 雑誌名

      アジア研究

      巻: 67 ページ: 40~57

    • DOI

      10.11479/asianstudies.67.2_40

  • [雑誌論文] 書評:佐藤創「試される正義の秤――南アジアの開発と司法」名古屋大学出版会、2020年2021

    • 著者名/発表者名
      中溝和弥
    • 雑誌名

      年報政治学

      巻: 2021, 1 ページ: 256, 260

  • [雑誌論文] 書評論文:油井美春著『現代インドにおける暴動予防の政策研究ーコミュニティ・ポリシング活動の挑戦』2021

    • 著者名/発表者名
      中溝和弥
    • 雑誌名

      南アジア研究

      巻: 31 ページ: 135, 141

  • [雑誌論文] トランスナショナルな家族の生成と再編―日本人女性とパキスタン人男性の国際結婚夫婦と子どもたちの事例から2021

    • 著者名/発表者名
      工藤正子
    • 雑誌名

      移民政策研究

      巻: 13 ページ: 9, 26

  • [学会発表] ウルドゥー文学を通してみたパキスタンと日本の文化交流2021

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 学会等名
      パキスタン建国75周年記念国際シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ターリバーンの首都制圧とパキスタン2021

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 学会等名
      中東情勢研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Perception Differences between Former Refugees/Migrants and Those Who Remained in Syria: Evaluation of Living Conditions and Foreign Countries2021

    • 著者名/発表者名
      青山弘之
    • 学会等名
      IPSA 26th World Congress of Political Science
    • 国際学会
  • [学会発表] 非公的主体の政治的役割をめぐる試論:世論調査を通して見るシリアのNGO2021

    • 著者名/発表者名
      青山弘之
    • 学会等名
      現代中東コロキアム
  • [学会発表] フィールドワークの実践知2021

    • 著者名/発表者名
      日下渉, 中溝和弥, 森下明子
    • 学会等名
      2021年度日本政治学会研究大会
    • 招待講演
  • [学会発表] The Politics of Recovery in Post-Conflict Worlds in India2021

    • 著者名/発表者名
      中溝和弥
    • 学会等名
      49th Annual Conference on South Asia
    • 国際学会
  • [図書] クルド問題 非国家主体の可能性と限界2022

    • 著者名/発表者名
      今井 宏平, 吉岡明子, 青山弘之, 廣瀬陽子, 阿部利洋, 岡野英之, 辻田俊哉
    • 総ページ数
      164
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000226462
  • [図書] アフガニスタン史2021

    • 著者名/発表者名
      山根聡, 前田耕作
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      河出書房新社
    • ISBN
      978-4-309-22835-8
  • [図書] ぼくらはひとつ空の下2021

    • 著者名/発表者名
      優人、小澤祥子、青山弘之
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      三元社
    • ISBN
      9784883035335
  • [図書] 膠着するシリア:トランプ政権は何をもたらしたか2021

    • 著者名/発表者名
      青山弘之
    • 総ページ数
      274
    • 出版者
      東京外国語大学出版会
    • ISBN
      9784904575918

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公開日: 2023-12-25  

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