研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
20H05829
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石井 正子 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (40353453)
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研究分担者 |
小副川 琢 日本大学, 国際関係学部, 准教授 (00847171)
見市 建 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (10457749)
飛内 悠子 盛岡大学, 文学部, 教授 (40773411)
鈴木 啓之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任准教授 (50792488)
武内 進一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450459)
日下部 尚徳 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 准教授 (60636976)
熊倉 潤 法政大学, 法学部, 教授 (60826105)
佐原 哲也 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (70254125)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | イスラーム / ムスリム / 武力紛争 / 平和構築 |
研究実績の概要 |
2022年度には、2022年8月11日から17日にかけてフィリピンのミンダナオ島で合同調査を行った。本研究のメンバーが4名参加し、マラウィ包囲戦の跡地やバンサモロ暫定自治政府を訪問し、復興過程や和平プロセスについての聞き取りを行った。マラウィ包囲戦については、ミンダナオ国立大学マラウィ校平和開発研究所のTirmizy Abudullah教授、NGOのMARADECAのコンサルタントであるMoctar Matuan教授とMobashar Abbas氏に対し、国内避難民となった100名の住民に対するFGD調査を委託した。2023年2月18日には劇作家で俳優のエイナット・ヴァイツマン氏を招へいし、公開講演会「演劇と抵抗:48/イスラエルでパレスチナ人のナラティヴを表現する取り組み」を実施した。 2023年度には、2024年2月24日に公開講演会「ガザ・モノローグ:パレスチナの声なき声に」を開催した。「ガザ・モノローグ」とは、パレスチナのヨルダン川西岸にあるアシュタール劇場が企画・制作した演劇である。2008年~2009年にガザがイスラエルに空爆された際、ガザの若者31人がモノローグ劇を作ったことから始まった。残念ながらその後、2014年のガザ空爆、そして2023年10月以降の「ガザ戦争」の経験を経てモノローグが追加され、物語が紡がれつづけている。この「ガザ・モノローグ」上演を劇団「理性的な変人たち」に委託し、数多くの演劇の翻訳やドラマトゥルクを務める渡辺真帆氏に解説をしていただいた。 2024年3月1日から3日まで第3回イスラーム信頼学 国際会議 “Exploring the Tacit Knowledge of Trust Building and Connectivity amidst Predicaments”を開催した。この国際会議に委託調査を依頼したMatuan Moctarを招へいし、報告を行っていただいた。同報告は、翻訳し、2024年度に出版する本の一章として発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度には、海外合同調査、委託調査、公開講演会などを行い、いずれも出版の成果に結びつけるべく、研究を推進してきた。 2022年度に予定していた国際会議が実施されなかったため補助金の一部を繰り越したが、当該国際会議が2023年度にも開催されないこととなった。そのため、代替の公開講演会や国際会議にあてることで、概ね順調に進めることができたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、研究成果として共著で本を出版する予定である。出版にあたっては、メンバーで相互に草稿の読み合いを行う研究会を設定する。草稿に批判的に考察を加えることにより、内容の充実を図る。
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