研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
20H05830
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
熊倉 和歌子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80613570)
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研究分担者 |
永崎 研宣 一般財団法人人文情報学研究所, 人文情報学研究部門, 主席研究員 (30343429)
MALLETT Alexander 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (30832472)
後藤 寛 横浜市立大学, 国際教養学部(都市学系), 准教授 (40333710)
篠田 知暁 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (50816080)
新井 和広 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 教授 (60397007)
伊藤 隆郎 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (60464260)
石田 友梨 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特任助教 (60734316)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | コネクテビティ分析 / 可視化分析 / 人名録 / デジタル人文学 / 人文情報学 / デジタルヒューマニティーズ / TEI |
研究実績の概要 |
イスラーム文明においては、膨大な量の人名録(伝記集)が著され、その多くが今に伝わっている。ある時代にまとめられたそれらの人名録の中には、同じ時代を生きた知識人たちがどのような学問生活を送っていたかということや、聖者がどのような奇蹟を通じて人々の信頼を得ていったか、また名家がどのような婚姻関係を取り結び影響力をつけていったかといった情報が埋め込まれている。本研究は、これらをデジタル・ヒューマニティーズの新たな手法を用いて、一挙に分析しようとするものである。テキストに埋め込まれた関係性の集合を可視化し、そこからイスラームにおけるコネクティビティや信頼構築のあり方を分析するのが、本研究の狙いである。
プロジェクト初年度に当たる2020年度は、研究計画班が進めようとするデジタルテキスト分析を行うための基盤整備を重点的に行うとともに、先行研究の動向をおさえ、そこに本研究と関連する課題を見いだす作業を進めた。デジタルテキスト分析のための基盤整備については、テキストのデジタル化を効率的に進めるノウハウを構築した。その過程で、文字認識エンジン(OCR)や手書き文字認識エンジン(HTR)のバラエティとそれぞれの質についての検証を行い、整理した。これらエンジンにおいて、アラビア語をはじめとするアラビア文字言語がどの程度読み取り可能であるかを検証した研究はほとんどなかったため、「イスラーム信頼学」のプロジェクトメンバーのみならず、国内外の関連する研究者たちに対して重要な情報を提供するに至った。この他、ソフト面だけでなく、ハード面においても基盤整備に取り組んだ。具体的には、テキストをデジタル化する際のスキャニング機器を整備し、研究で使用するテキストをデジタル化する環境を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スキャニング機器については、コロナ禍での海外発注となり、納品までに時間を要したが、2022年には納品が完了した。その間、機器に頼らないデジタル化の方法も開拓され、納期の遅延が研究計画に重大な影響をもたらすことはなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究に使用するテキストのデジタル化を推進するとともに、次の段階では、それをどのように分析するかという点について重点的に検討していく。
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