計画研究
本年度は、A01今堀・梅山との共同研究で有機薄膜太陽電池に用いる非フラーレンアクセプターの凝集構造解析を行った。提供を受けたアクセプター-ドナー-アクセプター化合物は凝集状態において、非常に長い励起子寿命を示し、その構造解析により、非フラーレン型の高効率有機薄膜太陽電池材料の開発に重要な知見が得られると期待される。高速回転下におけるプロトン相関測定やプロトン-炭素相関測定により、アクセプター材料は、アクセプターとドナーがスタックする形の凝集構造をとっていることを明らかにした。また、熱活性遅延蛍光(TADF)材料のコンフォメーション解析に関しては、ドナー-アクセプター間のねじれ角について、分布を含めた解析を行うため、13C, 2HラベルしたTADFについて、2次元NMR測定を行うこととした。どの位置にラベルをするのが最適かを検討するため、NMRスペクトルのシミュレーションを行い、ラベル位置の候補を探索した。
2: おおむね順調に進展している
本年度は主に、A01今堀・梅山との共同研究を行い、非フラーレン型アクセプター材料の構造解析を行い、分子間パッキングに関する情報を得ることができた。今回得られた結果をもとに、光電変換層として用いられるドナー・アクセプター混合系の構造解析へ展開可能である。また,TADF材料のコンフォメーション解析に関してもより詳細な構造情報を与える二次元固体NMR法を、展開する基盤を構築することができたといえる。以上のことから研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
A01今堀・梅山との共同研究に関しては、有機薄膜太陽電池の活性層となるドナー材料とアクセプター材料を混合した非晶膜について、凝集構造解析を進めていくと同時に、緩和時間測定によりドナーとアクセプターの相分離構造の解析も進める。TADF材料のコンフォメーション解析に関しては、シミュレーションにより得られた結果をもとに、ラベル材料の合成を進め、2次元固体NMR測定から、ねじれ角の分布を含めた解析を進める。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)
J. Am. Chem. Soc.
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