研究領域 | 動的エキシトンの学理構築と機能開拓 |
研究課題/領域番号 |
20H05837
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 克明 京都大学, 化学研究所, 助教 (90747859)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | 動的エキシトン / 固体NMR / 非晶 / 有機EL / 有機薄膜太陽電池 |
研究実績の概要 |
本年度は、A03梶との共同研究を進め、熱活性遅延蛍光(TADF)材料のコンフォメーション解析を進めた。具体的には、ドナー-アクセプター間のねじれ角について、分布を含めた解析を行うためのNMRシミュレーションを行い、13C, 2HラベルしたTADF材料の合成、固体NMR測定を行い、非晶膜中におけるをねじれ角の分布を明らかにすることができた。 さらにドナーアクセプター型のTADF材料について、その連結部にあるベンゼン環の運動と発光特性の相関を解明するために、TADF分子の各原子における化学シフト異方性測定を行い、現在その解析を進めている。 また、本年度はNMRのノイズ除去法を新たに開発した。本手法を用いることによりNMR解析の精密化、測定時間の短縮、使用サンプル量の低減が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は主に、A03梶との共同研究を進め、有機電界効果トランジスタに用いるドナー・アクセプター混合物の構造解析を行った。TADF材料のコンフォメーション解析に関しても、二次元固体NMRの測定結果とシミュレーション結果との比較からねじれ角の分布に踏み込んだ解析を行うことができた。また、TADF材料の運動性解析に関しては、測定データは得られたもののノイズが多く詳細な解析が困難であった。そこで新たな展開としてNMRのノイズ除去法を開発にまで至った。この手法はESR等のNMR以外の測定法にも展開可能である。 以上のことから研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に開発したNMRのノイズ除去法は、1次元測定に加え2次元にも適用可能であり、通常長時間を要するNMR測定時間の短縮、サンプル量の低減が可能である。加えてESR測定やラマン分光測定等にも応用することが可能であるため、今後、共同研究としてA02小堀や山方のデータ解析に展開していく。
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