研究領域 | 次世代アストロケミストリー:素過程理解に基づく学理の再構築 |
研究課題/領域番号 |
20H05846
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橘 省吾 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50361564)
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研究分担者 |
薮田 ひかる 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (30530844)
奈良岡 浩 九州大学, 理学研究院, 教授 (20198386)
岡崎 隆司 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40372750)
圦本 尚義 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80191485)
松本 恵 東北大学, 理学研究科, 助教 (50725455)
瀧川 晶 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (10750367)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | 太陽系 / 原始惑星系円盤 / 地球外有機物 / リュウグウ / 再現実験 |
研究実績の概要 |
太陽系も他の惑星系と同様,原始太陽の周囲に原始太陽系円盤がつくられることで誕生した.原始太陽系円盤も,電波天文観測で捉えられている惑星系形成領域の多様な化学環境のいずれかを初期状態とし,地球を含む惑星に至るまで進化したと考えられる.分子で観測される惑星系形成領域の化学的多様性に,太陽系の初期状態がどのように位置づけられ,太陽系がその形成時にどのような化学過程を経たのか,を明らかにすることが本課題の目的である.中間温度・中間密度環境で様々な化学反応が起こりうる惑星系形成領域での多様な化学を理解するためには,観測や分析の結果のみから推定するのではなく,原子・分子レベルでの素過程に立ち戻り,新たな学理を構築する必要がある.本領域で物理・化学分野との協働で進める素過程の解明に基づき,惑星系形成領域の化学的多様性を理解し,太陽系の初期化学状態をその中に位置づけることを目的とする.当該年度は小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った近地球C型小惑星リュウグウ試料の初期分析をおこない,無機化学(元素,同位体)・鉱物学・岩石学・有機化学(固体有機物,可溶性有機分子)の観点から,その詳細を明らかにし,既存の隕石との比較をおこなった.また,リュウグウに存在する鉱物のひとつである炭酸塩の真空分解実験をおこない,分解速度をもとにして,リュウグウが近地球側小惑星として経験した最も太陽に近い軌道条件の制約をおこなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小惑星リュウグウ試料の分析が順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
小惑星リュウグウ試料の分析結果に基づき,小惑星での変成・変質条件の実験も進めている.これらの結果を利用した有機物の再現・変成実験をおこなっていく.
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