研究領域 | ダークマターの正体は何か?- 広大なディスカバリースペースの網羅的研究 |
研究課題/領域番号 |
20H05856
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
宮崎 聡 国立天文台, 先端技術センター, 教授 (20290885)
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研究分担者 |
鎌田 有紀子 国立天文台, 先端技術センター, 技師 (10413973)
小宮山 裕 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (20370108)
大栗 真宗 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60598572)
川野元 聡 国立天文台, ハワイ観測所, 特任研究員 (90727398)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | 天文学 / 可視光光センサー |
研究実績の概要 |
現在検討されている多様なダークマター粒子候補の違いは、銀河や銀河団の小スケール密度分布の違いにあらわれる。より高空間分解能を高めたダークマター密度分布の測定によってはじめてその観測的検証が可能となる。HSCを用いた大域的な重力レンズ測定と、新たに開発中のCMOSセンサーによる可能となる高分解能重力レンズマップと高時間分解能を組み合わせることで、多様な観測から高精度にダークマターモデルの検証を行うことが、本研究の目的である。 我々のグループは、先行研究においてセンサーとして可動する試作品を完成させていたが、実際の観測で使用し天文学の目標を達成するには、以下3点の技術課題を解決する必要があった。(1) 量子効率と電荷の広がりのトレードオフの最適化、(2) 受光面内の量子効率の非一様性、(3) 毎秒10フレーム読み出しを可能にする、読み出し回路の開発。2020年11月に本科研費をいただいたが、半導体材料不足と工場製造ラインのスケジュールの都合で、2021年度に繰越さざるを得なかった。この間やや時間があったため、上記(1), (2), (3)の課題を解決することができ量産化のめどがたち、2021年度中に、量産品5個を製造することができた。また、最終的には12個の素子を高密度に実装する必要があるため、読み出しエレクトロニクスのより一層の高密度化が必要である。この検討と基本設計も進め、2022年度に製造に入れる見通しがたった。計画当初予定していた国内中口径望遠鏡での試験観測は、コロナの影響で来年度以降に先送りとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた望遠鏡での試験観測がコロナの影響で行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
ラッキーイメージング技法の確立には、計算機によるシミュレーションにより、ある程度カバーできるものの、実望遠鏡による観測データが必須であり、事態収束後、なるべく早期にこれを実施したい。
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