研究分担者 |
樽家 篤史 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (40334239)
岡本 崇 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50541893)
西道 啓博 京都大学, 基礎物理学研究所, 特定准教授 (60795417)
白崎 正人 統計数理研究所, 統計思考院, 助教 (70767821)
Dalal Neal 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員上級科学研究員 (90873513)
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研究実績の概要 |
温かいダークマター(WDM)についてのサブハローの準解析的モデルの開発を行い、さらにシミュレーションとの比較・校正をすることで精密化を施した。このモデルから予言されるサブハロー、またそれに付随する衛星銀河の数を、実際の観測データと比較することにより、WDMの質量や、ステライルニュートリノのパラメータ空間に制限をつけることに成功した(Dekker et al., 2022, Phys. Rev. D, 106, 123026)。 自己相互作用するダークマター(SIDM)について、モデル化を開始した。まずは孤立したハローについてサブハローをその重力場の中に落とすことによって、軌道や密度プロファイルがどのように変化するかをN対シミュレーションを用いてモデル化した(Shirasaki et al., 2022, MNRAS, 516, 4594)。また散乱弾面積が速度依存性を持つ場合についても、宇宙論的N体シミュレーションを行うことで、特にサブハローの重力熱崩壊過程に対する理解を深めた(Correa et al., 2022, MNRAS, 517, 3045)。 ファジーダークマター(FDM)の分布が超低輝度衛星銀河の及ぼす影響を考察した。ダークマター密度が非常に大きく揺らぐことが期待されるため、衛星銀河中の星の運動に強く作用する。この事実を観測結果と比較することによりFDMの質量に対して、非常に強い制限を与えることに成功した(Dalal, Kravtsov, 2022, Phys. Rev. D, 106, 063517)。 CDMについても、モデルの精密化(Hiroshima et al., 2022, MNRAS, 517, 2728)、インフレーションモデルへの制限(Ando et al., Phys. Rev. D, 106, 103014)など様々な可能性を検証した。
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