研究領域 | 散乱・揺らぎ場の包括的理解と透視の科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05890
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷田 純 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00183070)
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研究分担者 |
中村 友哉 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (70756709)
西崎 陽平 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究員 (40768933)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | 散乱透視学 / 散乱・揺らぎ場 / 機械学習 / スペックル |
研究実績の概要 |
機械学習応用による散乱イメージングでは、光制御に対し機械学習を導入し、制御設計の高速化を進めた。これまでの2次元光制御手法を3次元に拡張し、実験実証を通じ評価を行った。従来手法に比べ約150倍の高速化が可能となり、この手法により、散乱イメージングにおける3次元化や高速化に寄与できる。 メモリ効果が存在する散乱媒質を通したイメージングに向けて、符号化開口を利用したシングルショット散乱イメージングについて取り組んだ。瞳面に符号化開口を挿入し、瞳面における点像分布関数推定における未知数を削減させることにより、物体再構成を実現させる。概念実証としてインコヒーレント光で照明された対象に対し、大きな収差をレンズで与えた単一撮影画像を取得し、本手法による物体再構成に成功した。本手法は蛍光顕微鏡等の分野に貢献できる。また、散乱イメージングにおける光源の小型化、低コスト化を目的にインコヒーレント光による波面制御手法の原理構築にも取り組んだ。波面制御の実証実験において、LEDを用いた対象の再生に成功した。本手法は散乱イメージングの光学系の簡略化に寄与できる。 動的散乱体を介したイメージングに向けて、その基礎となる散乱体透過行列の高速計測法を検討した。提案手法では、散乱体の状態変化に追従して透過行列を更新する計画であるが、初期の透過行列は事前計測する必要がある。また、このプロセスは高速かつ安定に実装される必要がある。このために、多波長情報多重化と非干渉光学系を用いた高速行列計測手法を提案し、数値及び光学実験により原理検証した。数値実験は良好に完了し、光学実験はまだ高精度な結果が得られていないものの提案手法の効果を確認できる結果が得られた。行列計測の実験系を構築し、それを用いた散乱イメージングの実験系も構築できている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように研究は順調に進んでおり、その成果は学術雑誌と学会で報告している。符号化開口を利用したシングルショット散乱イメージングでは、学会発表まで完了し、論文は査読中である。インコヒーレント光による波面制御については、論文公開まで完了した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果の論文公開に取り組む。また、引き続き散乱体を介したスペックル相関イメージングに取り組む。具体的には、スペックル相関イメージングの機能拡張として限定されている視野の緩和に取り組む。また、散乱体を介したイメージングの新規手法として、機械学習や数理学を利用した原理の構築にも取り組む。 提案した行列計測手法については成果をまとめ外部発表する。また、行列の動的更新手法を具体的に検討する。研究を推進する中で、散乱イメージングについて何か一つ具体化な状況を設定した方が良いとの議論があったため、マルチモードファイバを介した生体イメージングを具体的応用例として設定し、それを前提とした原理設計に進む。
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