研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05898
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 道行 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)
|
研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
|
キーワード | 細胞間情報伝達 / FRETバイオセンサー / グリア / ERK / マップキナーゼ |
研究実績の概要 |
初年度は、グリア特異的なバイオセンサー発現の準備を行った。まず、アストログリア特異的にCREを発現するGlast-CreER(アストロサイト)をHelmholtZentrum munchenから導入した。さらに、ミクログリア特異的にCREを発現するCx3Cr1-CreERを名古屋大学から導入した。これらのマウスを繁殖させ、ゲノタイピングで系統を維持できることを確認し、CRE依存性にERKマップキナーゼのFRETバイオセンサーを発現できるマウスと交配を開始した。一方、神経組織でのFRETイメージングの条件設定のために、マウス網膜組織でのFRETイメージングを行った。代謝のマスター制御因子であるAMPKのFRETバイオセンサーを発現するトランスジェニックマウスから網膜を単離し95%酸素/5%二酸化炭素下で多光子顕微鏡を用いてイメージングを行った。同様にATPのFRETバイオセンサーであるGO-ATeam2を発現するトランスジェニックマウスからも網膜を単離し、多光子顕微鏡を用いてイメージングを行った。解糖系の阻害薬である2-DGを投与したところ、AMPKの活性化とATPの減少が観察された。興味深いことに、この効果は杆体視細胞において錐体視細胞よりも強かった。また、杆体視細胞におけるAMPK活性化とATP現象は30分程度でピークに達し、約2時間で元に戻ることがわかった。このことは杆体視細胞は2時間程度で解糖系への依存度が下がることを意味している。また、この研究において、神経組織での多光子顕微鏡を使ったFRETイメージングの条件を確立することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響もあり、マウスの導入が遅れたことが影響した。
|
今後の研究の推進方策 |
新規のCRE遺伝子発現マウスの導入以外は予定通り進行している。
|