計画研究
ミクログリアは脳内及び全身機能を監視し、脳及び全身の恒常性を制御するインターフェースとして重要な役割を果たしている。本研究では、ミクログリアを置換する2つの技術を開発し、それらを用いてミクログリアの脳及び全身の機能をどのようにデコーディングし、脳及び末梢臓器の制御を行うのかについての検討を行うものである。ミクログリアの置換には、colony stiumlating factor1受容体(CSF1R)拮抗薬のON/OFFでミクログリアを除去/自己増殖により行う「リセット」及びリセットとミクログリア移植を組み合わせた「グラフト」により行った。昨年度までにこれらのミクログリア置換法の開発が終了し、本年はこれを用いてミクログリアが脳内の異常をどのようにデコーディングしているのかについての検討を行った。アレキサンダー病(AxD)はアストロサイト特異的分子GFAPの変異で起こる「一次性アストロサイト病」である。しかしミクログリアも本疾患に大きく影響していた。ミクログリアは、AxD病態を抑制する作用を有していることが明らかとなった。従ってよりミクログリアをより強力な細胞に置換することで、AxDの病態が大きく改善することが強く示唆された。
1: 当初の計画以上に進展している
次年度に予定していたAxD脳の一細胞シークエンスに成功し、その解析まで進んだことから、当初計画よりも進展していると判断した。
一次性アストロサイト病であるアレキサンダー病(AxD)のモデルマウスを用い、ミクログリアがAxDアストロサイトの異常をどのように感知し、またどのようなメカニズムでその疾患に対応する応答を示すのか、の解析を行う。これまでに先行して行った一細胞シークエンスデータを解析することで、AxD脳で大きく変化するミクログリアクラスターを同定し、これらの詳細な解析により、ミクログリアが如何にしてAxDアストロサイトの異常情報を感知し、応答しているのか(デコーディング)についての、分子メカニズムを明らかとする。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (48件) (うち国際学会 8件、 招待講演 9件) 備考 (2件)
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