研究領域 | 脳の若返りによる生涯可塑性誘導ーiPlasticityー臨界期機構の解明と操作 |
研究課題/領域番号 |
20H05923
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
牛場 潤一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00383985)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | ブレイン・マシン・インターフェース / 可塑性 / 神経機能再生 / 体性感覚運動野 / 頭皮脳波 |
研究実績の概要 |
令和2-3年度は、実験プロトコルと解析パイプラインの確定を目標として研究活動を推進した。具体的にはまず、近隣大学に設置されている3テスラMRI施設を実験実施場所として研究計画を起草して学内生命倫理委員会に提出し、承認を得た。安全委員会からも実施許諾を得た。次に、手指運動想起課題中の脳状態を頭皮脳波から同定し、一側半球体性感覚運動野の興奮性上昇にともなって電動装具をアクチュエートするBMIをMRI前室に設置するための各種手続きを完了させ、装置設置を完了した。また、健常成人28名を被験者として、1回60分の操作訓練を実施し、脳波へのノイズ重畳性を検証。ノイズ低減のための装置改修とプログラムの修正を経て、ヒストリカルデータと同等の信号品質が取得できることを確認した。次に、BMI前後で計測するrsfcMRIのパラメータプロトコルの作成をおこなった。TR 3,000ミリ秒にて安静開眼10分間のrsfcMRIを計測し、全脳ダイナミクスを取得することを想定し、各種ノイズ除去パイプラインを調整し、脳領域間の相関マップやそのほか構造変化を捉えるための分析基盤の整備と表示のためのダッシュボード整備を実施した。また、神経回路の電気生理学的興奮性を確認するために、MRIナビゲート下で経頭蓋磁気刺激を適用し、誘発筋電図上の変化を取得する系の構築を実施し、慶應義塾大学理工学部に整備した。以上の検討を通じて、脳回路操作が可能となるBMI実験プロトコルと解析パイプラインの令和2年度版ドラフトを完成させた。今年度である令和3年度は確立したBMI実験プロトコルと解析パイプラインを運用し、健常者を対象にBMIパラメータの異なる4アームの並行間比較対象試験(各群18名)を実施し、MRI等を用いた機能評価によって、被殻、中心前回、ローランド弁蓋部等で有意な脳活動の検出に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要に示した通り、当初計画に沿った活動が実施され、MRIによる各種解析で検出可能な脳可塑性誘導を可能にするBMI訓練パラメータや被験者数の検討が完了した。これにより、脳卒中患者等の疾患を有する被験者へのBMI適応とMRI解析のためのプロトコル立案が順調に進展しており、令和4年度での研究計画が推進可能な状況が整備された。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究先大学との協議を深め、臨床研究を立ち上げるためのプロトコルの確定、機材設置、被験者リクルート、医療従事者へのハンズオン研修を進め、当初予定通りの活動を遅滞なく推進するよう計画的に活動する。
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