研究分担者 |
奥野 充 福岡大学, 理学部, 准教授 (50309887)
五反田 克也 千葉商科大学, 政策情報学部, 准教授 (40453469)
豊田 和弘 北海道大学, 地球環境科学研究科, 准教授 (10207649)
守田 益宗 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90289140)
安田 喜憲 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50093828)
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研究概要 |
本年度(H22)は調査と試料の分析を重点的に実施した。(調査)南西諸島(奄美大島,沖縄本島,西表島),長野県深見池,グアテマラ・ペテン県の湖・河川(ラス・ポサス湖,ケシル湖等)でボーリング調査,周辺植生調査を実施し,堆積物コア試料を採取した。またペルーでは花粉分析試料を採取した。また秋田県一の目潟の表層堆積物をミニアイスフィンガー法で採取した。グアテマラ調査では年縞を含む欠損の無い堆積物試料が得られた。さらに鹿児島県・藺牟田池で機械ボーリングによる調査を実施し,約20m×2本のコアで欠損の無い試料得られた。これは東アジア地域の高精度年代決定の示準となる火山灰層を多数含むため,今後の高精度編年に貴重な資料となる。(分析)H21年度に引き続き秋田県・一の目潟,青森県小川原湖,エジプト・カルーン湖試料の分析を実施し,試料の基礎物性(比重・含水率,色),帯磁率,花粉分析等の低時間分解分析を完了した。その結果,両者とも確実に年縞を有しており,高時間分解分析により精度の高い古環境復元が可能であることが判明した。現在はμRF分析等の詳細な分析を継続している。また長野県・深見池では基盤までの完全なコアを含む12本の試料と5本のアイスフィンガー試料を採取,年縞幅を用いて年輪年代学的手法による暦年代決定に成功した。これは世界初の成果である。さらに年縞単位での花粉分析に着手した。本年度採取した南西諸島試料についても全試料の基礎物性測定と前処理が完了した。これらを総括すると,本領域の文明史研究班(A02~A04)が研究を実施する全ての地域で,効率的に貴重な試料を収集することに成功し,分析も想定以上に進んでおり,極めて大きな成果が得られたと考えている。
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