研究領域 | 環太平洋の環境文明史 |
研究課題/領域番号 |
21101004
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
坂井 正人 山形大学, 人文学部, 教授 (50292397)
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研究分担者 |
渡辺 洋一 山形大学, 人文学部, 教授 (10137490)
本多 薫 山形大学, 人文学部, 教授 (90312719)
阿子島 功 福島大学, 人間発達文化学類, 特任教授 (00035338)
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キーワード | 文明 / 環境 / ペルー南海岸 / ナスカ / 地上絵 |
研究概要 |
人工衛星画像に基づいて作成した地上絵の分布図を、現場で再検討する作業を引き続き実施した。特にナスカ台地南部において、人工衛星画像では判別できない地上絵について調査を実施したところ、付近より新たな地上絵を複数発見することができた。そこで、これらの地上絵を測量するとともに、その周囲で見つかった土器・獣骨・人骨を採取した。獣骨と人骨に関しては、ペルー文化省から許可をとり、日本に輸出した。なお、ナスカ台地に分布する地上絵をこれまでトータルステーションを使って測量していたが、広範囲を測量することで生じる誤差の補正が問題になっていた。しかし、衛星測位システムを導入することで、この誤差を補正できることが分かった。 これまで実施してきた統計学的な解析結果を踏まえて、認知心理学・人間工学的な見地からも放射状直線の地上絵に関して研究するために、複数の被験者に地上絵の上を実際に歩いてもらい、その生体負担を計測した。このデータは現在日本で分析中である。 昨年度の現地調査で地上絵付近において採取した試料(木杭など)を、日本国内で測定したところ、ナスカ期のものであることが分かった。当時の環境を復元するために、木杭の年輪が使えるかどうかを検討するために、年輪の専門家に現地調査に参加してもらった。その結果、研究に利用できる可能性が高いという判断が得られたため、年輪のサンプルを取った。これらの試料についても、日本に輸出するための許可をペルー文化省から得ている。なお、古環境の復元に関しては、ナスカ台地の周辺部で環境地理学的な調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究実施計画」のほとんどを予定通り実施することができた。また危惧していた考古学遺物の日本への輸出に関しても順調に進んでおり、「研究の目的」を達成できる見込みがあるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の「研究の目的」を固持して、「研究実施計画」に沿って研究を遂行する。
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