研究概要 |
光格子中の超低温原子集団に関する観測法について、高い空間分解能を持ったイメージング技術と、高い周波数分解能を持ったスペクトロスコピー技術の二つの究極の計測技術を組み合わせて、単一の層の2次元量子気体に対して適用し、光格子を形成するポテンシャルのわずかな空間不均一性を、超狭線幅光学遷移を用いた高分解能分光により明らかにするとともに、2次元面内に磁場勾配を加えて、量子気体の磁気共鳴イメージングを行うことに成功した。さらに、基底状態と準安定状態の間の磁場フェッシュバッハ共鳴の観測および、フェッシュバッハ分子の光生成に成功にも成功した。 NTTでは、超伝導チップ上の冷却原子を用いた量子制御の研究を行なった。はじめに、チップ上でRb原子のボース凝縮体(BEC)|F, mF>=|2, +2>を生成し、ラジオ波(RF)で、その内部状態をF = 2内の磁気副準位(mF)間でコヒーレントに制御することに成功した。次に、|1,-1>を初期状態としてBECを生成し、マイクロ波とRFにより、|1,-1>-|2, +1>間のコヒーレント制御を実現した。その結果、コヒーレンス時間が2桁改善され、|2, +1>状態原子間の非弾性衝突が顕著に現れる領域に到達した。本研究により、超伝導チップ上でのスピノルBECをコヒーレントに生成することが可能になり、「高密度擬1次元量子多体系のシミュレーション」を研究する道が拓けた。
|